【今週のお題】お気に入りの作家さんたち4名をフワフワと紹介します
いつの間にか9月も終わりに近付いていますね。
まだまだ暑い日もありますが、空の色や朝夕のひんやりとした空気、鮮やかに咲き乱れる彼岸花が秋の訪れを告げています。
さて、秋と言えば食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋などと言いますが、こう並べてみるとなんでも良さそうですよね(笑)気候が良いから何するにも良いよーということなんでしょう。
そんななんでもござれな秋の訪れを感じながら、今回は「今週のお題」に沿って、読書の秋をテーマに書いていきます。
今週のお題「読書の秋」
と言いつつ、実はちょうど1週間ほど前に、読書に関する記事を書いたんですよね、私。この記事です。
もうばっちり読書について語ってるんですよ。
数日後にお題を見ると「読書の秋」になってて、しまったなーと思いました(笑)
読書に関して思っていたことは結構書いてしまったし、その記事でも書いている通り、私は読んだ本の内容をすぐに忘れてしまうので、なかなか昔読んだオススメの本の紹介記事なども書き辛いのです。
というわけで今回は、あまり特定の作品には触れずに、私の好きな四名の作家さんたちに関して、フワフワした感じで紹介してみることにしました。
作家さんたちの持つ文章の特徴やその世界観・空気感なんかをお伝えできればな、と思います。
(※「私のオススメ」に関しては、代表作以外から選出するようにしています。)
小川洋子さん
私のオススメ:『海』、『やさしい訴え』
まず一人目に紹介するのは、小川洋子さんです。
この方の作品の特徴はその静謐な空気ではないかなと思っています。そして、独特の世界観。
非現実的な設定が度々出てくるんですが、世界のどこかにきっとこういう場所があるんだと思ってしまうような、読者をすっとその世界に導いてくれる文章を書く方です。
日常と非日常の境をぼかしてしまうような。
小川さんの作品を読むと、淡いトーンの水彩画をよくイメージします。
静かに、淡々と、優しく、悲しく、慈しむように生きる人々を描き出し、読んでいる間も読み終わってからも、気持ちがゆっくりと動くのを感じます。
私のまだ知らない世界で生きる誰かのことをそっと教えてくれるような、そんな作家さんです。
短編も多く書かれていますので、読書初心者の方にもオススメです。
道を一本隔てた先に、森を抜けた先に、湖の裏側にあるかもしれないそんな世界を、ひっそりと覗いてみませんか。
星新一さん
代表作:『ボッコちゃん』など
私のオススメ:『悪魔のいる天国』、『マイ国家』などなど(正直どれを読んでも面白い)
ごくごく短いページ数の内にあっと驚く仕掛けを持った楽しい物語が展開される星新一さんのショートショートの世界。
そこには、読書の楽しさや驚きがぎゅっと凝縮されています。
エヌ氏やエフ氏など、固有名詞を持たない主人公たちが、近未来や異世界を連想させる世界で息づき、多くは予想外の出来事に翻弄されていきます。
とにかく短いということ、そして物語がわかりやすく、楽しい驚きに満ちていることから、よく読書初心者にもオススメされます。
星さんは一生のうちに1000篇以上のショートショートを生み出しており、私はそのうちのかなりの数を読んだと自負していますが、どれだけ読んでも飽きることなく、読む度に新しい展開にいつも楽しませてもらっていました。本当にすごい。
私のオススメを一応あげてはいるのですが、正直どれでも面白いです。
一生のうちに読まなければ損な作家さんの一人だと思っています。
姫野カオルコさん
- 作者: 姫野カオルコ
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2007/02/24
- メディア: 文庫
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代表作:『ツ、イ、ラ、ク』、『ハルカ・エイティ』など
私のオススメ:『変奏曲』、『部長と池袋』
三人目は姫野カオルコさん。
この人は、なんというか独特な作品を書かれる方だなと思っています。
イメージとして、昔の文学作品のような文体や雰囲気で、性であったり信仰であったり、そういう生々しいものを描き出しているような、不思議なギャップのようなものを感じる文章を書く方です。
幼少期をキリスト教の宣教師宅で過ごした経験からか、キリスト教の教えがよく作中に登場したりと、一読して理解するのが難しかったりもするのですが、そういった部分も含めて、なぜだか引き込まれてしまう魅力ある作品が多いです。
一般的にちょっと変わっていると言われるような個性を持つ主人公たちが、己をそのままに貫いていくようなお話が多いかなと思います。
私の中で説明し辛いけどなんか良い!作家さんです(笑)
作品によって語り口が結構様々に変わるところも面白いのですが、それでもなお根底にあるギャップというか、不思議な違和感がなんだかクセになります。
好みが分かれるかもしれませんが、ハマる人にはハマると思うので、気になる方はぜひ一度読んでみてください。
アレックス・シアラーさん
- 作者: アレックスシアラー,Alex Shearer,金原瑞人
- 出版社/メーカー: 求龍堂
- 発売日: 2004/05/01
- メディア: 単行本
- 購入: 7人 クリック: 284回
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代表作:『チョコレート・アンダーグラウンド』など
私のオススメ:『青空のむこう』、『スノードーム』
ラスト四人目はイギリス人作家のアレックス・シアラーさん。
この方は児童~ティーン向けの作家さんとして有名ですが、大人が読んでも楽しめるような作品ばかりです。
私は海外の方の作品をあまり読まないのですが、中学の図書館で『青空のむこう』に出会って読んでみたところ、あまりに素敵なストーリーに感動して、それから何年か新しい作品を見つける度に読んでいました。(『青空のむこう』が個人的にイチオシです!)
若い人向けの作品で、ストーリーとしてはわかりやすいのですが、しっかりと練られた設定と、丁寧な人物描写でファンタジックな世界観に現実味を与え、子供向けだろうと侮って読むと気持ちを持っていかれちゃいますよ。
チョコレートや幽霊の世界、スノードームやデパートなど、子供の頃誰もが心惹かれたモチーフたちから、優しく、しかし目を逸らせない現実もしっかりと描いた物語が展開されていきます。
ほとんど文庫化されていないので、購入するとちょっと高くなってしまいますが、図書館などにも置かれていると思いますので、気になる方は手にとって見てください。
大人も子供も楽しめるファンタジー冒険譚に、きっと時間を忘れて夢中になること請け合いです。
今回は、私の好きな作家さんの中から4名選んで紹介してみました。
特に選出理由などはありません。フィーリングです(笑)
個別の作品にも詳しい経歴などにも触れずの紹介になったので、もっとちゃんと書けよ!と思われた方もいらっしゃったかもしれませんが、私自身が感じているそれぞれの作家さんの魅力はなんとなく伝えられたかな、と思うので満足です。楽しかった。(自己満足)
今回結構楽しく書けたので、気が向いたらまた別の方たちの紹介記事を書いてみるかもしれません。
どの方も本当に素敵な作家さんたちばかりですので、良ければぜひ読んでみてください!