【映画】『ザ・マミー / 呪われた砂漠の王女』を見ました
今日は映画好きの両親に連れられて映画館へ行ってきました。
二人の希望は『パイレーツ・オブ・カリビアン』か『ザ・マミー』のいずれか。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』は私がまだシリーズを全て見ていなかったので却下して、『ザ・マミー』を見に行くことになりました。
というわけで、今回は現在上映中の映画のレビューです。
が、ちょっと批判多めになります。すみません。先に謝っておきます。
ザ・マミー / 呪われた砂漠の王女(2017年 / アメリカ)
1932年に公開された『ミイラ再生』のリブート作品。トム・クルーズ、ラッセル・クロウらのハリウッド・スターを迎え、地下深く眠っていたミイラの女王の復活を描くアクション・ホラー。ユニバースによるモンスター映画リブートシリーズ「ダーク・ユニバース」の第1作目となっている。
あらすじ
米軍人のニックは、イラクで活動中に偶然遺跡を発見する。軍に同行していた考古学者のジェニーらと共に遺跡におりたところ、古代エジプトの封印された墓であることが発覚。詳しく調査するため発見した石棺を運び出し、イギリスに持ち帰ろうとするも、石棺を乗せた飛行機は恐ろしい現象に巻き込まれていく。石棺には古代エジプトの呪われし女王・アマネットが眠っていた。
感想
全体的にちょっとイマイチだったなー、というのが正直な感想です。
本作のヒロインとなる考古学者ジェニーと、敵の女王アマネットがそれぞれに美しく、特にアマネットのエキゾチックな姿はとても魅力的でした。
人物・モンスター共に心情描写が薄く入り込めなかったのと、バトルシーンもほとんどが肉弾戦で、砂漠の女王やエジプト神話といった要素があまり活かされていなかったかなと感じました。
※ここから先は物語のネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意ください。
全く感情移入できない主人公
今回の主人公ニックは米軍人ですが、軍での活動の傍ら、遺跡から宝を盗み出そうとするような人物。
一夜を共にしたジェニーから宝の地図を(これも)盗み、一緒に入った遺跡ではなぜだかいきなり銃を放ちアマネットを現代へと目覚めさせます。このことは彼はアマネットに呪いを受けますが、完全に自業自得です。
彼の目覚めさせたアマネットのせいで、米軍の仲間たちは飛行機ごと落とされ、それを調査した仲間たちもゾンビに襲われ、イギリスの街は破壊し尽くされ、恐らくそこでも多くの死者や怪我人が出ています。巻き込まれた人たち可哀想すぎる。
自身の凶暴性を薬で押さえ込んでいる対モンスター組織の長・ジキル博士の注射器をなぜか奪い、結局ジキル博士は暴走。ニックに襲いかかります。
なにがしたいんだ、この人は。
自分勝手で、行動原理もよくわからず、いくらトム・クルーズといえど余りに魅力に欠けるキャラクターではないかと思いました。
ニックがこの映画した良いことと言えば、落ちる飛行機でジェニーにパラシュートを譲ったことくらいでしょうか。
最後の方はジェニーがしつこいほどに「ニックは良い人」アピールをしていましたが、正直もうあそこまで自分勝手キャラにしていたなら、良い人路線ではなくて、「他の人はどうてもいいけどジェニーだけは守る」みたいな方向性の方がまだ入り込めた気がしました。
分かり辛いストーリーと浅い人物描写
まず、主人公のニックがなにをしている人なのか、なぜ米軍に考古学者が同行しているのか、なぜ米軍なのにアマネットの石棺をイギリスに運び込むのか、途中で出てきた謎の組織はなんなのか。
見ている途中、色々と突っ込みどころが多く、全編を通して疑問が残る作りでした。
後で調べてみてやっと、この映画が「ダーク・ユニバース」というシリーズの1作目として作られ、途中で出てきた組織は「プロディジウム」という対モンスター組織で、ジキル博士はそこの長で、今後のシリーズ作品にも登場予定のようだ、とわかりましたが、正直前情報なしで本編だけ見れば、このジキル博士の二重人格設定必要だった?と思ってしまいました。
全体的に説明不足感が否めません。
また、人物描写・心情描写も浅く、アマネットはなんのためにセトの復活を願っているのか、ニックはなぜそこまでジェニーに惚れたのか、なんだかよくわからないままに状況だけが進行していき、どこに、誰に焦点を合わせればよいのかわからないまま終わってしまいました。
王女アマネットは美しい
古代エジプトの女王の地位を得られなかったために、死の神セトと手を結び、父王や后、そして幼い皇太子を殺害したアマネット。それ故に彼女は生きながらミイラにされ、地下深くに封印されてしまいます。
ニックにより現代へと甦ることとなる彼女ですが、人間としての姿、悪に堕ちた後の姿、どちらもとても美しいです。
演じているのはソフィア・ブテラというアルジェリア系フランス人の方ですが、最近では『キングス・マン』などに出演されていたそうです。
特にセトと契約を結んだ後、手足の先を水色に塗り、顔や身体に呪文が描かれ、瞳が二重になったモンスターの姿が素敵でした。
死の神セトを復活させるための身体として、自分を復活させたニックを選んだアマネットは、ニックが愛するジェニーに対し、強い嫉妬や憎しみを抱いていました。
個人的には、かつての王女としての気品や強さを感じさせる態度や、ジェニーに対する強い憎悪の見せ方など、この映画で一番好きなキャラクターでした。
今後「ダーク・ユニバース」シリーズとして他のモンスター作品もリブートされ、「プロディジウム」を軸としたアベンジャーズのような展開が計画されているようですが、この感じだとちょっと次回以降の作品も期待度が下がってしまったかな、という感じがします。
アクションなのか、ホラーなのか、モンスターなのか、ダークヒーローなのか、どうにも中途半端で、どこにも焦点が合っていない作品になってしまっていた印象です。
第2作は『フランケンシュタインの花嫁』のリブート作で、2019年公開予定のようですが、なんやかんや言いながらもせっかく1作目を見たので、次作からの盛り返しを期待しています!