ロマンティック・コメディの帝王!ヒュー・グラント出演のオススメ映画5選
皆さん、その人が出ていたら基本的に作品をチェックしてしまうような好きな俳優・女優さんはいますでしょうか?
私は日本人なら蒼井優さんなのですが、海外の俳優さんには疎くて、あまり出演者で作品を選んだりはしません。
ただ、一人だけ、出演作をついついチェックしてしまう方がいます。
たれ目がチャーミングな甘いマスクと、とろけるような笑顔で、数多のだめんずウォーカーを生み出してきたであろう愛すべきダメ男、ヒュー・グラントさんです。
もちろん、容姿も素敵なのですが、元々は、出演作に良作が多く、はまり役が多いため、私の中では「あまりハズレがない俳優さん」というようなイメージでした。
しかし、そんな感じで何度も見ていると段々と魅力にやられてきます(笑)
そんなわけで今回は、(だめんずウォーカーを増やすべく)ヒュー・グラントさん出演作から、オススメの作品を紹介します。
ヒュー・グラント
改めて紹介の必要もないかと思いますが、一応簡単に。
『ノッティングヒルの恋人』や『ブリジット・ジョーンズの日記』など、ラブコメのヒット作を連発し、「ロマンティック・コメディの帝王」と呼ばれるイギリスの人気俳優です。
(ちなみに「ロマンティック・コメディの女王」はメグ・ライアンだそうです。)
個人的オススメ作品5選
それでは早速いってしまいましょう!
トゥー・ウィークス・ノーティス(2002年 / アメリカ)
弁護士のルーシーは、取り壊しの危機にある、地元ニューヨークの歴史ある公民館を守るため、取り壊しを強行しようとする不動産会社ウェイド社のCEO・ジョージに直談判に赴く。優秀な弁護士を探していたジョージは、ルーシーの度胸を気に入り、公民館の保護と引き換えに、自分の下で働くように提案。ルーシーもそれを受け入れ、2人は共に働くことに。真面目で気が強いルーシーと、お金持ちで軽薄なジョージは衝突を繰り返しながらもお互いに惹かれあっていく。
最初に紹介するのは、私が初めてヒュー・グラントという俳優を認識した(個人的に)記念すべき作品です。
ストーリー的にはザ・ラブコメといった感じで、王道を突っ走っていきます。
真新しい部分はありませんが、王道を王道として楽しめる作品です!
自身の離婚訴訟や、果てはネクタイ選びまでルーシーに頼りまくる、加速していくジョージのダメ男っぷりが笑えます。
ブリジット・ジョーンズの日記(2001年 / イギリス)
出版社に勤めるブリジットは、新年のパーティーでバツイチの弁護士マークと出会うも、トナカイ柄のセーターに幻滅。悪口を言われているのを聞いて、めげてしまう。立て直しをはかるため、いくつかの誓いを立て、日記を付け始めるが、早速、気を付けるつもりでいたハンサムで女たらしの上司ダニエルと急接近。恋人ができたと有頂天になるブリジットだったが、彼には別の婚約者がいた。恋に仕事に全力投球のブリジットの誓いは達成されるのか。
言わずと知れた大ヒット作品。
ヒュー様といえば、この作品を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
コリン・ファース演じる誠実だけどちょっとダサいマークと、ヒュー様演じる卑怯な色男ダニエル。二人の対比が鮮やかです。
ダニエルは本当に不誠実で、現実では絶対に許せないタイプのダメ男なんですが、たまになんだか可愛く見えちゃうのはやっぱりヒュー様だからでしょうか。
ラブコメとして楽しめるのももちろんですが、ブリジットの人生体当たりな感じに元気をもらえる作品です。
ラブ・アクチュアリー(2003年 / イギリス、アメリカ)
クリスマスを間近に控えたロンドン。秘書のナタリーに一目惚れしてしまい悩む、イギリス首相デイヴィット。最愛の妻を亡くし、口を利かなくなってしまった息子のサムを心配するダニエル。弟に恋人を奪われ、傷心を抱えて訪れたコテージでメイドのオーレリアと出会う作家のジェイミー。往年のヒット曲の歌詞を変え、再起をはかろうとする老いぼれロック歌手のビリーと、ビリーのために奔走するマネージャーのジョーなど、総勢19名、9組の愛の形を描く群像劇。
『ブリジット・ジョーンズの日記』に引き続き、大ヒット作の紹介です。
クリスマス映画の定番にもなっている本作ですが、9組ものカップルや家族、友情を描いた群像劇で、本当に様々な事情を抱えた人たちが描かれるのですが、そのどれもが最後には温かい結末を迎え、ほっこりできる正にクリスマスに打ってつけの映画です。
私が特に好きなのは、愛妻を亡くしたダニエルとサム親子のエピソードと、親友の妻に恋をしてしまったマークの話。あと、映画内での扱いはちょっと軽めですが、スタントインという、有名俳優達の打ち合わせなどの時の代役で、いきなり濡れ場から演じることになったジョンとジュディのエピソードでしょうか。
きっと皆さんも様々な愛の形に、共感したり応援したくなったり、勇気付けられたりするはず。
ヒュー様も珍しく首相という役柄で、一途で誠実な男性を演じていて素敵です!
ラブソングができるまで(2007年 / アメリカ)
かつて一世を風靡したバンド「PoP」の元ボーカル・アレックスは、人気絶頂の歌姫・コーラから、楽曲提供の依頼を受ける。再起のチャンスに息巻くアレックスだが、作詞の経験がなく、行き詰まってしまう。そこへたまたま植木の水遣りに訪れたソフィー。そのソフィーが口ずさんだ歌に才能を感じたアレックスは、コーラへ提供する曲の作詞を依頼する。曲作りを通して、二人は絆を深めていく。
80年代POPスタイルで歌って踊るヒュー様、そして甘い声でラブソングを歌うヒュー様も楽しめる、ヒュー様ファンにはたまらない映画だと思います。
また、ヒュー様だけでなく、ストーリーや劇中に登場する楽曲なども質が高く、純粋に映画作品として見ても、自信を持ってオススメできる作品です。
歌姫コーラちゃんの可愛いけどぶっ飛んだ感じとか、なかなか尖っていて楽しいです。
ヒュー様とドリュー・バリモアの歌声もとっても素敵でした。海外の俳優さん・女優さんたちはみんな歌がうまいですね。
アバウト・ア・ボーイ(2002年 / イギリス、アメリカ、フランス)
亡き父が一発当てたクリスマス・ソングの印税で、仕事もせずに悠々自適な生活を送る38歳独身のウィル。ある時シングルマザーとの交際の気軽さに味をしめたウィルは、次なるターゲットを求めてシングルペアレントの集会に顔を出し、スージーという女性とデートにこぎつける。彼女はデートに、友人フィオナの息子で12歳の少年マーカスを連れてきており、ひょんなことからウィルに親しみを覚えたマーカスは、連日放課後にウィルの家を訪ねるようになる。
ヒュー様出演作の中で、私が一番好きな作品です。
ヒュー様には珍しくラブコメではありません。
父親が作った曲の印税を頼りに、仕事もせず、特定の恋人も作らず適当に生きてきた適当男と、精神的に不安定なシングルマザーを心配しながら、冴えない学校生活を送る少年の友情の物語です。
ヒュー様演じるウィルは、シングルマザーって交際相手として気楽で良いじゃん!とか思っちゃう甘ちゃんな適当男ですが、大人の常識に縛られていないからなのか、少年マーカスに対等な態度で接し、本人は不本意ながらも、徐々にマーカスの「友人」となっていきます。
他の作品のような派手さはありませんが、ふふっと笑えてしみじみ温かい、ぜひ見てほしい、私イチオシの作品です。
いかがでしたでしょうか?
愛すべきイケメンダメ男・ヒュー様出演作品ということで選んでいますが、どの映画もヒュー様が魅力的なだけでなく、映画として好きなものばかりを選んでいますので、ヒュー様ファン以外の方にも楽しんでいただけると思います。
ぜひ見てみてください!
「ヒュー様」と書きすぎて、「ヒュー」ってどういう発音だっけ?とゲシュタルト崩壊し始めたので、このあたりで終わろうと思います。
非IT系ニートがIT関係者交流会に参加してきました
最近はニートとしての生活がすっかり板につき、家族と恋人以外と話すことがほぼ皆無だった私。
やばい、このままでは本物のニートになってしまう!(いや、今もニートなんですが)
内心そう思って焦っていたところ、知人から「今度福岡でイベントあるから一緒に参加しませんか?」とお声かけ頂きました。
ニートから本物のニートに進化しかけていた私には有難いお誘いでした。
しかし、送って頂いたイベント詳細を見てみると、どうもIT関連の方向けの交流会のよう・・・。
私「私、前職も非IT系で、ITの経験全くなくて、今無職で身分もなにもないですけど大丈夫でしょうか?」
知人「大丈夫ですよー!!」
というわけで、非IT系ニートである私が、IT関係者向けの交流会に参加してきましたので、そのレポートを書きたいと思います。
手書きの名刺を準備
イベント主旨が交流会ということなので、名刺交換は必須だろうと察した私。
しかし、残念ながら今私には「無職」という肩書きしかなく、名刺も持ち合わせていません。
名刺ないんですー、と言うとしても、相手の方の名刺を受け取りつつ自分がなにも持っていないのは気まずいなぁ、と思ったので、とりあえず手書きで名前だけでも書いていくか、と思い準備しました。(当日に)
100均で白紙の名刺サイズのカードを買い、あとは無心で名前を書き続けました。
連絡先とか書こうかな、と思わなくもなかったのですが、今どきフェイスブックもあるしまあいいかと思い、氏名だけを記載した至極シンプルな名刺もどきとなりました。
用意した枚数は20枚程度。
これでとりあえず、名刺交換の体裁だけは取れるはずなので、あとは私のコミュ力と話術次第ですね。
会場へ
会場へはお誘い頂いた知人の方と待ち合わせて、一緒に入りました。
さすがにニートが一人で乗り込むのはちょっと怖かったので有難いです。
入ってからまず受付があったのですが、そこで早速「名刺を1枚ください」と言われました。名札にする用です。
私はドキドキしながら「今、名刺がなくて・・・」と手書きの名刺を差し出しました。
申し込みの際に所属を記載する欄があり、そこに「特になし」と書いて申し込んでいたので、名刺がないこと自体は「あーそうでしたね」という感じでしたが、手書きの名刺に関しては「これは目立ちますね」というなんとも微妙なコメントを頂きました。
運営の方は別に他意のない発言だったと思いますが、この時点で打たれ弱いニートとしてはちょっと帰りたくなりかけました(笑)
でももう来てしまったので、気持ちを立て直し始まるのを待ちます。
開会まで
荷物を置き、手持ち無沙汰に会場を見回して突っ立っていると、人がぼちぼち集まり始め、開会前ですが、名刺交換をする人が出てきました。
私も声をかけられます。
Aさん「はじめまして。○○の××と申します。」
私「はじめまして。ジャム(当然ですが実際は本名を名乗っています)と申します。」
そして名刺を交換するのですが、当然向こうはなんだこれ?と怪訝な反応をされます。
私「あの、今無職で、名刺がなくて・・・手書きで申し訳ないのですが・・・」
しどろもどろです。コミュ力皆無です。
この後予想通りに、前職がIT系だったのかとか、今何をしているのかを尋ねられるわけですが、非IT系で、職探し中だが特にIT系志望というわけでもない、と話すと、相手の方もこいつ何しに来たんだ的な雰囲気を発し始めます。そりゃそうですね。
一応、「ITにも興味があって、知人の方にお誘い頂いたので、勉強と見聞を広めるために来ています」という感じでお話するのですが、なかなか辛い空気感だったりします。
そもそも「IT関連の交流会」に来てらっしゃるので、私のような「繋がっても今後役に立ちそうもない奴」に時間を割かせるのも申し訳ない、という気持ちになります。
受付に続いて、さらに心折れそうなニート。
そして、思っていた以上に、自分で自分のことを「無職で」と説明するのはダメージが大きかったです。
開会前からHPをごりごり削られるニートでしたが、相手の方のお話を聞いたり、ひたすら周囲を見回したりしてなんとか時間を過ごし、やっと開会を迎えました。
交流会スタート
辛い時間をやり過ごしていると、開会時間が来たようで、主催の方の挨拶のあと、乾杯となりました。
誘ってくださった知人は、「IT関係なくても大丈夫☆」とおっしゃって下さっていましたが、主催の方の挨拶ではやはり「この会はIT関係者だけの会なので、面倒な話はなしでがっつり仕事の話をしましょう!ビジネスにつなげましょう!」とはっきりと言われていました。そりゃそうですよね。
大丈夫かな私の存在。
不安感しかなかったですが、始まると近くの方が声をかけてきてくださるので、とりあえず名刺交換をします。
手書きの名刺に関しては皆反応に困るのか、結構な割合で「逆に目立ちますねー」みたいなコメントを頂きました。
非IT系の無職と知ると、皆私とどんな話をすれば良いかわからなくなるようで(そりゃそうだ)、皆さんがアルコールで陽気になり始めるまでの時間はなかなか辛かったです。
それでも、それぞれ仕事の内容を話してくださったり、「ビジネスにつなげよう!」と挨拶されていた主催の方も、同じ熊本出身で、私が孫みたいな年齢だったからか優しく話を聞いてくださり、「なにかあればいつでも連絡していいよ」と電話番号まで頂いて、中盤からは気まずさも段々となくなっていきました。
基本的に他の方の話を聞いたり、知らない分野のことを教わるのは好きなので、そういう意味ではとても楽しかったです。
途中に挟まれていたショートプレゼンも、お話上手な方ばかりで、全然IT系ではない私も楽しく聞くことができました。
閉会
後半は皆さんいい感じにアルコールも入り、仕事の話半分、世間話半分、といった感じで、私も気後れせずに会話に混じることができるようになっていました。
IT業界の裏話を伺ったり、熊本ラーメンの話で盛り上がったり、普通に楽しんでいました。
そうこうしている内に閉会の時間に。
閉会の挨拶のあと、写真撮影をして終了となりました。
会場から出る際に再度、主催の方から「なにかあれば連絡していいからね」とお声かけ頂き、有難い限りでした。
その後は、知人と仲の良い方たちだけでの二次会にお誘い頂いたので、帰りのバスの時間まで参加して帰路に着きました。
感想とか反省とか
まず、とりあえず参加した自分を褒めてあげようと思います。
結構ギリギリまで迷っていたのですが、行動できたのは良かった。
ただ、やっぱり参加するイベントはちゃんと選んだ方が良いな、というのは感じました。
今回だと「IT関係者のための交流会」というしっかりした主旨のある会だったので、恐らくそこから外れた私がいることは、やっぱり会として微妙な部分もあったんじゃないかなと思います。
私個人としては、他の方の話を聞いたり、連絡先を頂いたりとプラスもあったのですが、純粋に主旨の通りの目的で来られている方からすると、良い気持ちがされない方もいただろうなと思います。
そして私自身も、そういうことを考えてしまうので、どうして良いかわからなかったり、上手く話せなかったり、過度に緊張した状態になっていました。
今回、ご好意でお誘い頂いて、選り好みせず動かなきゃと思っての参加でしたが、今後はどうしよう、とちょっと悩みどころです。
そもそも自分から飛び込む時は分野を絞るでしょうし、こういったお誘いはそんなに度々ではないと思うので杞憂かもしれませんが。
あとは、参加したからにはアウェイでももっと自分から行動すべきだったかな、というのは反省点です。
今回は、どなたかが声をかけてくださるまで動くことができずにいたので、(幸い人もそこそこ多く、割と途切れることなく声をかけて頂きましたが、)次回以降は、自分から声をかけていけるように、心を強くもちたいと思います。
長くなってしまいましたが、久々に知らない方々と交流して、良い経験になったと思います。
扱い辛かったであろう私のことを受け入れて、話してくださった方々、ありがとうございました。
少しだけ免疫ができたので、次は自分からイベント等参加できるように、色々な人と交流できるように、がんばっていきます。
【映画】大好きな映画『リトル・ミス・サンシャイン』を紹介します!
以前、好きな映画紹介第1弾ということで邦画の『花とアリス』を紹介する記事を書いたのですが、今回は洋画から1本チョイスしてみました。
(ちなみに『花とアリス』紹介記事はこちらです。)
大学生の時、パッケージに惹かれて借りてみて、とても印象深かった作品です。
こういう出会いがあるからビデオ屋さん(時代遅れかな)はいいなぁ、と思うくらい、良い作品に出会えたと思える作品でした。
そんな感じで目出度く(?)私の好きな映画ランキングに食い込んできた『リトル・ミス・サンシャイン』を紹介させてください!
リトル・ミス・サンシャイン(2006年 / アメリカ)
監督・脚本家ともに本作がデビュー作でありながら、サンダンス映画祭で上映された際に、同映画祭史上最高額で配給権が争われ、アカデミー賞でも脚本賞を受賞するなど、高い評価を得ている。
小太りの少女オリーヴが美少女コンテストに出場するため、一家で会場を目指す、笑えて泣けるロードムービー。
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2012/09/05
- メディア: DVD
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あらすじ
小太りの少女オリーヴの夢は、美少女コンテストで優勝すること。ある日、彼女のもとに「リトル・ミス・サンシャイン」というコンテストの予選通過の通知が届く。
大喜びするオリーヴだが、本選の開催場所は遠方のカリフォルニア。
金銭的な問題などから、家族全員で古いバンに乗り、会場へと向かうことになった。
独自の成功論にとりつかれている父、変わり者だらけの家族に苦労する母、テストパイロットを目指すために沈黙の誓いを立てている兄、ヘロイン中毒で老人ホームから追い出された祖父、ゲイで自殺未遂の末引き取られた叔父。そして可愛いオリーヴ。
そんなはちゃめちゃ一家の道中は問題だらけで・・・。
『リトル・ミス・サンシャイン』の魅力
なんというか、見た後の癒され感が素晴らしい映画でした。
ジョークとかは結構ブラックで過激な感じだったりするんですが、まったりほのぼの笑って泣けて。見てよかったなー、と素直に思える作品です。
少し詳しく書いていきます。
目を離せないはちゃめちゃ一家
家族が車に乗ってコンテスト会場を目指すだけなのですが、その道中は本当にドラマに溢れています。
それもこの一家がそろってはちゃめちゃだから。
あらすじでも書いていますが、母親とオリーヴ以外、かなり強烈な個性の持ち主たちです。
それぞれの強すぎる個性や主張で、喧嘩をしたりギスギスしたりと、一見機能不全に陥っている家族ですが、母親の気遣いや調整、オリーヴの天真爛漫な明るさでバラバラにならずに繋がっています。
しかし、個性的すぎる父や兄、祖父、叔父たちも、別に悪い人というわけではなく、ちょっと変わっているだけで、見ているうちにどんどん愛着が湧いてくる人物たちばかりです。
車が故障したり、父親の事業が失敗したり、他にもシャレにならないようなトラブルが多発するのですが、その度に少しずつ、家族としての結びつきが強くなっていきます。
それぞれが持っていた優しさや繊細さが、母親の包容力や、オリーヴへの愛情で、少しずつお互いに浸透して、家族全体が柔らかくなっていくような感じがして、あー、またトラブルだよ!と笑いながらも、その空気感に癒されます。
ほのぼのなフリをして、意外と攻めてる映画
小さい女の子が主役の家族でのロードムービー、ということで、ほのぼのな感じがするのですが、実は結構攻めてるよなぁ、という印象も強い作品です。
最初にびっくりしたのは、兄が映画中盤まで本当に一言も発しなかったこと。
兄・ドウェインは15歳で、テストパイロットになる夢を持っています。
ニーチェに強く影響され、夢を叶えるために沈黙の誓いをたてているのですが、普通ちょっとくらいしゃべりそうな気がしませんか?(笑)
一言も発しない彼にも、そんな彼をなんとなく受け入れている家族にもびっくりするとともに感心しました。
そして、彼を徹底して沈黙させていた映画の演出にも感心しました。
そもそも、それぞれのキャラクター設定自体かなり攻めてるとは思うのですが、さらに物語中に出てくるジョークやエピソードも結構際どかったり。
過激さとほのぼのさ、笑いと感動、そのバランス感覚に優れた作品だなと感じました。
普通に笑えて、自然に泣ける映画だと思います。
元気をもらえる
この作品では、基本的に皆なにかしらに失敗しています。
夢は叶わないし、大事なものをなくしたり、傷付いたりします。
それでも最後、この家族は多分ちょっと幸せになっているし、見ている私もちょっと幸せでした。
なにも持っていなくても、なにも勝ち取らなくても、たどり着く幸せの形ってきっとあるんだろうな、と思えました。
それは成功とか失敗とかそれ自体にはなくて、成功しても失敗してもそれを共有できるような存在だったりするのかなと感じました。
がんばって努力して何かを得るのはもちろん素晴らしい体験だと思いますし、そこに至るまでの過程で得るものもたくさんあると思います。
ただ、もしもそこで勝ち取ることができなくても、そのことに絶望することはないし、戦って勝つことが人生ではないよな、と思いました。
失敗したり、がんばれなくなったときに見ると、きっとたくさん元気をもらえるんじゃないかと思います!
オリーヴちゃん可愛いですし、一家のはちゃめちゃ具合に笑える楽しい映画です。
笑いたい人にも、泣きたい人にも、元気になりたい人にも、感動したい人にもオススメできるオールマイティな作品です!
見たことのない方は、ぜひ一度見てみてくださいね!
方向が分からない女、地図が読めない女(方向音痴あるある)
旅行やお散歩、知らない土地大好きな私ですが、そんな私が時に困るのが自分の方向感覚のなさです。
入り組んだ裏路地などの雰囲気が好きで、見つけると結構どんどん歩き回るのですが、そういったところは往々にして自分がどこにいるのかわかり辛くなってしまうものです。
とりあえず来た道を戻ればいいか、と思っても、景色やお店の雰囲気を楽しんでぼーっと眺めて歩いてしまう私には、イマイチどの道を辿って来たのかが定かじゃなかったり・・・。
今回はそんなド方向音痴な私のあるあるエピソードを紹介しようと思います。
ちょっとブログのネタに詰まってしまったので、小ネタ集的な感じで楽しんで頂ければ幸いです。
ちなみにタイトルは昔流行った『話を聞かない男、地図が読めない女』をもじりました。(全然うまくない)
方角で言われても・・・
たまに場所を方角で指示されることがあります。
「そこから西に向かってー」とか「その建物の北側にー」とか。
皆、普段方位磁針かなにか持ち歩いているのか・・・?
でも、意外とよくあることなので、きっと普通はなんらかの方法で方角の見当がつく人が多いってことですよね。
あとは、「この街の北側はこんな感じだよねー」みたいなのも、方向音痴的には謎です。
私の母や弟、恋人も結構方向感覚がある方なのか、方角的にどこになにがあるか把握していたり、ちょっとした時に方角で道を判断したりしています。
私には特殊能力にしか見えないのですが、分かる人からすれば、なんでわからないの?と思うようで、持てる者と持たざる者の格差をひしひしと感じます。
現在地を把握できない
一番よくあるのがこれです。
冒頭でも書いたとおり、自分の居場所が今どこなのか、基本的にわかりません。
スマホの地図アプリ?もちろん使います。めっちゃ使います。
しかし、目立つ建物などがない、似たような曲がり角の続く道では、私は自分が今どっちを向いているのか、目指す場所がどちらの方向なのかが把握できないのです。
これは致命的です。地図が役に立たないからです。
でも、そういう時も安心な裏技(?)を私は編み出しました!
その裏技とは!「スマホに現在地を表示した上で、ちょっと歩いてみる」です!!
そうすると、自分のマーカーが動くので、地図のどの方向がどっちを指しているかわかるというわけです。天才的発想です。
というわけで、スマホを持つようになって数年、私はこのやり方で現在地を把握し続けてきたのですが、先日ショッキングな事実を知りました。
それは、私の使っているスマホ(iPhone5S)の地図アプリには、自分がどちらを向いているか示す機能がある、ということです。
まじか。・・・まじか。
私の苦労は一体・・・。いや、有難いけど。
自分の向いている方向を示す機能の使い方
私のように方向音痴で、万が一私のようにこの機能に気付かずに苦労している方がいる可能性もなくはないので、一応機能の使い方を紹介しておきます。
※iPhoneの標準マップアプリに関してです。
マップを開き、左下の矢印アイコンを押します。
現在地がズームされます。
もう1回矢印アイコンを押します。
※場所ばれ防止のため、地図は適当に加工しています。
自分の向いている方向に放射状のマークが出ます。
※場所ばれ防止のため、地図は適当に加工しています。
以上です。
お分かり頂けただろうか。
これだけで簡単に自分の向いている方向まで把握できてしまうのである。
矢印アイコンの表示も変わっているので、自分が今どのモードにいるのか、ここを見ることでも把握できます。(現在地表示なのか、向いている方向までわかるのかなど)
もし私のように試行錯誤されている方がいらっしゃれば、ご参考まで。
道を覚えられない
基本的に、道を覚えられません。
私の記憶の形式では、恐らく脳内に地図として蓄積されることはほとんどないのだと思います。
全てが風景だったり、雰囲気だったり、そういったものでできていて、写真や短いムービーの寄せ集めみたいなイメージです。
道も、覚えなきゃ!と思いながら進めば、ある程度の目印(曲がり角にあるお店など)などは覚えられる(つもりでいる)のですが、いざ一人で同じ道を通ってみると、ここの角までそんなに距離あったっけ?とか、似たような店に惑わされたり、結構迷ってしまうことも多いです・・・。
もう、方向と道順に関しては、私には才能がないものと諦めの境地です。
最近ではスマホの地図やカーナビはかなり優秀ですし、(スマホで自分の向きを知る方法もわかりましたし、)もう彼らに全てを預けて生きていこうと思います。
あとは、親切な人たち、迷ってどうしようもなくて声をかけたときは、すみませんが助けて頂けると幸いです。
方向感覚の神様に見捨てられた私は、こんな感じでいつも道や人生に迷いながら暮らしております。
もし、方向音痴の改善方法や、効果的な道の覚え方、方向感覚の身に付け方などご存知の方は、ぜひ教えてください!
【小説】湊 かなえ『豆の上で眠る』を読みました
2週間の東京ライフから泣く泣く足を洗い、本日無事地元に戻ってきました。
愛するさくらちゃん(豆芝)に全力の尻尾フリフリでお迎えされた今、帰りの飛行機が積乱雲による気流の乱れで一瞬落ちて、(気持ち的に)死にかけたのも良い思い出です。
もともと飛行機が苦手な私は、ガクガクと揺れる飛行機の中で、脳内で神様にめっちゃお祈りをしつつ、心頭滅却すれば火もまた涼し、とばかりに読みかけの小説に読み耽って(いるポーズをして)おりました。
たまにくる大きな揺れに気を取られつつも、着陸直前になんとか読破できたので、今回はその小説のレビュー記事です。
湊 かなえ『豆の上で眠る』(2014年)
本屋大賞受賞や映画化などで話題をさらった『告白』で衝撃のデビューを果たし、それからも質の高いミステリーを発信し続ける湊かなえさんの作品。
結衣子が小学一年生の時に起きた、二歳年上の姉の万佑子の失踪事件。万佑子は二年後に帰ってきたが、結衣子は大学生になった今でも、姉に対してぬぐえない微かな違和感を抱き続けたいた。姉は偽者なのではないか・・・。直感と思考、想像と現実の間で揺れる結衣子。奇妙な違和感の先にある真実とは。
まず、タイトルが秀逸だなと思いました。
え、どういう本?と思わず手に取ってしまいます。
そこで湊かなえさんときて、失踪して戻ってきた姉が別人かもしれないなんてあらすじ、これは買わざるを得ないですよね。
タイトルの「豆の上で眠る」というのは、語り手の結衣子が姉に対して抱き続けている微かな違和感を指しています。
アンデルセンの『えんどうまめの上にねたおひめさま』という童話からきており、童話の中のお姫様は、ベッドの下に置かれた小さな豆の僅かな違和感を感じ取ったことで「本当のお姫様」と認められて王子様と結婚し幸せになります。
この童話自体が結衣子と万佑子の思い出として作中の重要なアイテムになっていますが、そこから「違和感」と「本物」という二つのテーマがひかれています。
当時と今の視点が交互に描かれ、結衣子の当時の記憶と現在から振り返っての考察がじっくりと開かれていくのですが、物語は終盤まで霧の中を歩くようで、読者も結衣子と一緒に違和感の正体、帰還した姉の正体を探り続けている感覚に陥ります。
そこからラストの怒涛の展開。
テンポの切り替えが本当に素晴らしかったと思います。
小説としてのエンターテイメント性を高く保ちつつ、読後に思わず考えてしまうテーマ性を併せ持った小説でした。
※ここからは軽度のネタバレを含みます。なるべく核心に触れないようには書いていますが、未読の方はご注意ください。
構成が優れた作品
前述している通り、この作品では、終盤まで作品のほとんどが結衣子の思い出と思考のみで描かれており、現実的に話が進展するのは、6章構成の本書のうちほぼ6章のみになっています。
つまり、最終章までの5章分は、ほとんど結衣子の目を通した過去の出来事しか覗くことが出来ず、結衣子と同じように、ここは怪しい、でもこれは信じるべきなのでは、と悩み続けることになります。
結衣子と同じようにもやもやし続けてきた読者には、立っている現実が丸ごと崩れていくような最終章の真実のたたみかけが、本当によく効きます。
あーそういうことだったのか、と真実がわかってすっきりする反面、あーそういうことだったのか、と別のもやもやが始まるのを感じます。
この結衣子の想像・思考から、真実を捉えてからの現実の反転具合を追体験するのに、とても優れた構成になっているなと感じました。
親にとって姉妹、兄弟とは?
この作品では、結衣子は姉・万佑子の失踪事件の犯人探しのため、危険かもしれない人物たちのもとに何度も送り出されます。
送り出していたのは母親で、しかもそのために猫まで飼いはじめる周到さです。
(猫探しと偽って犯人探しをしていました。)
もしも、結衣子が訪ねた先に本当に犯人がいたならば、結衣子は危険な目にあう可能性がありますし、実際に、犯人ではないですが男性に身体を触られ逃げる描写もありました。
また、何度も繰り返していた結衣子の猫探し=犯人探しは大人たちの間でうわさになり、それが学校の友達にまで広がり、結衣子は無視されたり、遊びに誘われなくなったりと楽しい学校生活を失っていきます。
母親が万佑子の捜索のために周りが見えなくなっていたとしても、きっと、結衣子がどういう状態にあるのか、薄々は気付いていたと思うのです。
そして結衣子自身、自分がいなくなった側であれば、母親は万佑子にはこんなことはさせないだろう、と感じています。
母親にとって、万佑子は守るべき存在だったのだろうと思います。
それでは結衣子はどういう存在だったのでしょうか。
病弱だった万佑子を気にかけていた、出来の良い万佑子を気に入っていた。
それはなんとなくわかるのですが、そのことで結衣子本人が気付いてしまうくらいに愛情の偏りが出るということが、私にはまだ感覚として理解できない部分がありました。
親も人間なので、姉妹や兄弟、どちらも同じ自分の子供と言えども、気が合ったり合わなかったり、気に入ったり気に入らなかったりする部分は当然あるとは思います。
ただ、「自分の子供」という愛情の源となる魔法が、複数の子供達の比較という部分でどのように分配されるものなのか、親にとって複数いる子供達はどのように捉えられているのか、そこが個人的に少し気になりました。
選び、捨て、作ること
作品の核心部分に触れてしまうのであまり詳しくは説明できないのですが、本作の失踪事件において、色々な人が選んだり、捨てたり、また関係を作ったりということが様々に行われています。
この時に、選ぶ側の人間と、その選択をただ受け入れるしかない側の人間がいるように感じました。
万佑子はまさに選ぶ側の人間で、結衣子はそちら側の人間にはなれなかった。
また、さらに可哀想なことに、結衣子は子供だったからなのか、真実に触れる機会を与えられていませんでした。
そのことによって、選ばれなかっただけでなく、新しく作るべき関係性を築くことすらできず、結衣子の道は(少なくともこの作品の中では)行き止まりになってしまったように思います。
選択肢を閉ざされていた結衣子は、どこかに幸せになれる抜け道があったりしたのかな、と考えてみるのですが、両親のひいきを感じる子供で、大きな事情を抱えて、長い間愛すべきはずの姉に違和感を抱き続けた結衣子の人生は、かなりハードモードだなと思ってしまいました。
現実の足場はなんなのか
結衣子は万佑子の失踪と帰還の真実、帰還した姉の正体などを知り、信じていた世界が全く別の形をしていたことに気付いてしまいます。
結衣子がそれまで生きてきた世界は、丸ごとなくなってしまったのです。
私も最近同じように、あることを知って、あー、私の生きてきた世界は本当じゃなかったと感じることがありました。
その時に、現実は自分が信じている姿をしているのだと感じました。
だから、自分が信じていたものが信じられなくなった時、なにを基準に見ればいいのか、どこに足を踏ん張って立てばいいのか全くわからなくなってしまい、世界がぐにゃぐにゃと歪んでいる感じがしました。
きっと結衣子もそうじゃないかと思います。
自分の現実の足場は、自分が信じている世界にしかない。
信じていたものが丸ごと壊れた結衣子の世界は、これからどうなるのでしょうか。
新しい足場が、少しずつでも組み上げられていくと良いのですが。
先が気になるミステリー的要素と、読後にじくじくと痛んでくるようなテーマの設定など、個人的にかなり完成度の高い作品だと感じました。(上から目線っぽくなってすみません!)
私もしばらくは、「本物」とはなんなのか、私の世界はなんなのか、考えてしまうと思います。
小説を楽しみながらも、長引く傷を負いたいドMな方には特にオススメです!
傷を深める結衣子を眺めたいドSな方も楽しめるかと思います。
ぜひ読んでみてください!
商店街&パンケーキ&井の頭公園を満喫!吉祥寺に遊びに行ってきました
きっかけはパンケーキ
まずはお昼ご飯
いよいよパンケーキ!FLIPPER'S吉祥寺店
お昼のあと、しばらく商店街などをぶらっと散策して腹ごなしをしたら、いよいよ本日のメインイベントのパンケーキ屋さんへ!
今回お邪魔したのは「奇跡のパンケーキ」を謳うFLIPPER'Sの吉祥寺店です。
テラス席も含めほぼ満席でしたが、運よく店内のテーブル席に空きがあり並ばず入店。
果物が乗ったものや、食事系のパンケーキなど様々な種類が用意されているのですが、今回はオーソドックスにプレーンを注文しました。
待つこと15分。
きましたー!!ふわっふわ。
スフレパンケーキなのですが、しゅわしゅわしすぎず、しっかり味わえます。
そして、生クリームに恐らくメイプルシロップ的なものが混ぜてあり、ふんわりとメープルが香る感じでとても美味しかったです。
ふわふわですが、食べ応えがあり、分量もそこそこあります。
今回は食事の後に食べたこともあり、2人で1皿注文したのですが、充分満足できる感じでした。
もし次に行く機会があれば、今度は果物が乗ったものに挑戦したいです。
井の頭公園へ
お腹もぱんぱんになったので、事前調査で密かに目を付けていた井の頭公園へ向かいます。
FLIPPER'Sやサンロード商店街のあたりからは約10~15分程度の道のりでした。
井の頭公園は正式名称「井の頭恩賜公園」。敷地内に動物園やテニスコート、競技場などを有する大きな公園です。
木々の茂る公園内に足を踏み入れると、まず目に飛び込んできたのが大きな池と噴水です。
池に沿って遊歩道が設けられており、木々と池や噴水の影響なのか、遊歩道に入ると幾分涼しく感じました。夏のお散歩にはぴったりかと思います。
また、弁天様があったり、素敵な橋がかかっていたりと、散歩するだけで楽しかったです。
動物園&水生物園「井の頭自然文化園」
井の頭公園内には「井の頭自然文化園」という施設があります。
こちらは動物園(本園)と水生物園(分園)に敷地がわかれていますが、大人なら400円でどちらにも入場することができます。
入場はどちらも16時までで、17時閉園です。
今日は15時過ぎ頃にまず水生物園に入園。
こちらは半分淡水魚の水族館、半分鳥園といった感じです。
30分ほどで一周し、急いで動物園へ向かいました。
水生物園から動物園は5~10分程度でした。
16時少し前に無事入園。
ペンギンさん達。暑そうでした。
「け○のフレンズ」で話題になったフェネックさん。起きている子もいました。
ベンガルさんは生肉をくわえていました。強い。
最後の写真はリスさん達。
このリスの展示が素晴らしくて、「リスの小径」という施設なのですが、リスがいる檻の中に入ることができます。
そこらじゅうにリスが!足元を普通に駆け抜けていったりします。
めちゃくちゃ可愛かったです。
他にも鹿が広い水場もある広い敷地で放し飼い(柵はあります)にされていたりと、規模はそこまで大きくないながらも、面白い展示がたくさんあり、とても楽しかったです。
というわけで、閉園までしっかり楽しんで、動物園を後にしました。
そして、すっかり満足して帰路に着いたのでした。
パンケーキ目当てで決めた吉祥寺行きでしたが、行ってみると街中から公園までとても良い雰囲気で、かなり満喫してしまいました。
住みたい街ランキングで上位を連取しているのも納得です。
井の頭公園の近くには「三鷹の森ジブリ美術館」もあるそうなので、今度はこちらにもぜひ行ってみたいです!
吉祥寺、とても楽しい街でしたので、東京で遊ぶ機会のある方はぜひ行ってみてください!
【漫画】小花 美穂『こどものおもちゃ』を思い出と共に紹介します
今回も前回に引き続き、思い出の漫画を紹介します。
今回紹介するのは、前回の記事でタイトルを出していたのですが、小花美穂さんの『こどものおもちゃ』です。
本作のヒロインの紗南ちゃんは子役なので、前回の『ハンサムな彼女』と芸能界という点で繋がりがありますね。
ただし、『ハンサムな彼女』のように主要人物が皆がっつり芸能人というわけではなく、子役をやっている紗南ちゃんと周囲の出来事、という感じで、芸能界漫画というわけではありません。
芸能界の絡みもある学園青春ものといったテイストの漫画です。
小花 美穂『こどものおもちゃ』
少女漫画誌「りぼん」で1994年~1998年にわたり連載された、小花美穂さんによる作品。
子役の倉田紗南を中心に、コメディタッチの面白さを存分に取り入れつつ、社会問題に踏み込んだシリアスな内容を取り扱った名作。
『こどちゃ』の愛称で親しまれ、テレビアニメ化もされた人気作品です。
こどものおもちゃ 全10巻完結(りぼんマスコットコミックス ) [マーケットプレイス コミックセット]
- 作者: 小花美穂
- 出版社/メーカー: 集英社
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あらすじ
小学6年生の倉田紗南は、バラエティ番組にレギュラー出演し、ドラマなどでも活躍する売れっ子子役。
そんな紗南にはクラスに天敵がいた。男子を牛耳り、クラスを学級崩壊状態に追い込んでいるボス猿・羽山秋人である。正義感の強い紗南は、羽山と真っ向から対立し、羽山の方は紗南に苦手意識を持ち避け続けていた。
しかし、なんとか羽山を改心させたい紗南は、羽山をストーキング。彼の家庭環境に原因があることをつきとめる。
紗南の働きかけにより家庭の雰囲気も変わり、羽山も徐々に心を開き始める。
『こどものおもちゃ』の思い出や魅力
『こどものおもちゃ』は私が大好きな漫画の1つです。
(完全版で全巻買い揃えてしまいました。)
明るく可愛い紗南ちゃんに、クールで優しい羽山。
複雑な人生に、一生懸命立ち向かう二人が元気をくれます。
徹底したギャグとシリアスなストーリー
この作品の大きな魅力は、そのギャグの徹底振りと、それに反してシリアスなストーリー展開にあります。
作品は全体的にギャグテイストを感じさせます。
紗南ちゃんの破天荒な行動もそうですし、主要人物の一人である紗南の育ての母・実紗子の髪型(黒柳徹子さんのような髪型で、頭のお団子の中でリスを飼っている)など、シリアスシーンでも変更がきかないような部分でも存分に遊びます。
子供も大人もちょっと変わった人物が多く、ツッコミもばんばん入れて、基本的にテンションの高い漫画です。
一方で、学級崩壊や家庭崩壊、捨て子やマスコミ問題などの社会問題の要素を多く取り入れ、主人公二人の複雑な生い立ちや、精神的な問題など、シリアスなストーリー展開を繰り広げます。
様々な問題をしっかり描きながら、漫画として楽しませることを忘れない、複雑な魅力のある作品です。
登場人物の魅力
上述の通り、シリアスな問題を多くはらみながらも、明るさを忘れない本作ですが、それもこれも魅力的な登場人物たちのお陰だろうと思います。
まずはなんと言っても紗南ちゃん。
明るく可愛く、強い。素敵な女の子です。
しかし、実はかなり繊細なところもあり、物語終盤ではとある事情から表情が一切なくなってしまう「人形病」という状態に陥ってしまいます。
くるくると表情を変える天真爛漫な姿が魅力的なだけに、この展開にはかなり衝撃を受けました。
そんな繊細さや弱さを抱えながらも、持ち前の明るさや大胆さでどんどんと未来を切り開いていく様は、紗南ちゃんの周囲の人たちはもちろん、読者にも元気をくれます。
次に羽山。
羽山はとりあえずかっこいいの一言です。
はじめこそお山の大将として振舞う悪ガキですが、紗南に心を開いてからは、もともと持っていた優しさを発揮し始めます。
クールぶりながら実は優しく、たまに抜けてる感じとかがまた素敵です。
きっと当時羽山に恋してた女子がたくさんいたはず。私もその一人です(笑)
また、自分自身が複雑な環境に身をおき、痛みを知っているからか、人の痛みにとても敏感で、寄り添うべきところできちんと寄り添える人物へと成長を見せています。
そして大人たちも負けていません。特に紗南の育ての母・実紗子が素敵な人物です。
捨て置かれた紗南のことを実子のように育てています。
困難に直面しても明るく、でも冷静に考え、紗南の成長をしっかりと見守り、サポートします。
また、読者へのメッセージ性としても、この人の変人加減が「普通」にこだわらなくて良い、自分の信じた道を生きることが楽しくて幸せ、と伝えてくれているように思います。
「こども」達のための楽しい教科書
本作では様々な問題に加え、性的な事象に関しても言及するシーンがあります。
件の人形病の際、紗南が早く大人になりたくて、羽山にセックスをもちかけます。
これは未遂に終わりますが、今考えると、小中学生向けの少女漫画誌で、まだ中学生であるヒロインの側からセックスを持ちかけるというのは、なかなかすごいなと思います。
しかし、実際に中学生や早ければ小学校の高学年などでも、性やその情報に触れる機会はあります。
そう考えると、「大人になりたくて」セックスをしてみようとする紗南たちの姿と、それからの展開は、実際の同じような子供達に対してのメッセージであるように感じます。
また、そもそもヒロインが捨て子であったり、羽山が母親死別の父子家庭で育っていることなど、大人から見て「りぼん」の読者層には少し早いのではないかと思われるような要素があちこちに見られたりしますが、明るいテイストの漫画の中で展開されることで、読んでいる「こども」達に対して、教科書的役割を果たす意味のある漫画だったのではないでしょうか。
おまけ
『こどものおもちゃ』には2作、スピンオフ作品があるので紹介しておきます。
1作目は『水の館』。
紗南ちゃんが作中で主演した映画をまるっと別漫画にした作品です。
こちらは私も読みましたが、面白かったです。
ホラー風ミステリーといった感じで、本編とはまた違った雰囲気を楽しめます。
2作目は『Deep Clear』という作品。こちらは未読です。
小花さんが「Cookie」という雑誌で連載した『Honey Bitter』という作品とのコラボ漫画で、紗南と羽山のその後が描かれているとのこと。
こちらも気になるので、ちょっと探して読んでみようと思います。
Deep Clear―「Honey Bitter」×「こどものおもちゃ」
- 作者: 小花美穂
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/12/01
- メディア: コミック
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私の中で『こどちゃ』は、明るかったり暗かったりと色々な印象が混ざり合っている漫画で、なかなか説明するのは難しいのですが、一読の価値がある漫画であることは確かです。
笑いながら気軽に読み進めて、いつの間にか心の深いところに落ちてくるような、よく作られた作品だと思います。
いつか自分に子供が生まれたら、ぜひ読ませたいです!