七夕ってなんだっけ?由来や風習などを調べてみました
今日は七夕ですね。
こちらは今のところ良い感じに晴れているのですが、天の川見えるかなぁ。
そんなことを考えていたのですが、思えば、七夕ってちゃんとしたことないかも、と思い至りました。
そもそも本来なにする行事だっけ・・・?
7月7日は七夕だな、という認識はあるのですが、実際七夕と言えば、小学校で短冊を書いて飾ったり、図工の時間に折り紙で飾りを作ったりした印象と、最近で言えば、イオンなどのショッピングモールやスーパーの片隅なんかにさり気なく笹と短冊が用意されていて、そのお願い事を眺めたり眺めなかったりするくらいの印象しかありません。
七夕だからと言って、小さい頃も含めて、家で特別になにかをした記憶もありません。
認知度の割に影が薄い(少なくとも私の中では)七夕のことがちょっと気になり始めたので、その由来や、本来の作法などを調べてみることにしました。
七夕の由来と現在
七夕は「しちせき」とも読み、日本のお祭り行事のひとつで、1年間で重要な節句として「五節句」にも含まれています。(さっき影が薄いとか言ってしまいましたが・・・)
実は中国由来の行事で、日本以外にも中国・韓国等でも季節の節目、節句・節日として定着しているそうです。知らなかった。
七夕の由来
七夕の由来は実は結構複雑で、起源となる3つのものが合わさってできたものだそうです。
- 日本古来の神事「棚機(たなばた)」
- 織姫と彦星の伝説
- 中国から伝わった行事「乞巧奠(きこうでん)」
織姫と彦星の伝説しかわからないですね・・・。
それぞれちょっと詳しく見てみましょう。
「棚機(たなばた)」とは?
日本で古来行われていた禊ぎの行事で、棚機津女(たなばたつめ)と呼ばれる穢れを知らない乙女が、着物を織って神様に捧げ、豊作を祈ったり、人々の穢れをはらう、というものだったそうです。
現在の「たなばた」の読みの由来と言われています。
織姫と彦星の伝説
機織ばかりの娘「織姫」を気の毒に思った神様が、お婿にとまじめな牛飼いの青年「彦星」をみつけ、二人は恋に落ちるのですが、それから二人は遊んでばかりで、全く仕事をしなくなってしまった。
それに怒った神様が二人をそれぞれ天の川の西と東に分かち、一年に一度、7月7日の夜にだけ会うことが許された。二人は毎年その日を楽しみに待つのでした。
伝説自体は上記のような内容で、七夕といえば、誰もが一度は聞いたことがあるお話かと思います。
じつは、このお話は中国由来のものだそうで、裁縫の仕事を司る織女(しゅくじょ)星(琴座のベガ)と、農業を司る牽牛(けんぎゅう)星(鷲座のアルタイル)が旧暦7月7日に天の川をはさんで最も輝いて見えることから、この日をめぐり合いの日と考え、この伝説が生まれたのだそうです。
この織姫と、さきほどの棚機津女がどちらも織物をしていたことから、この二つが合わせて考えられるようになったようです。
「乞巧奠(きこうでん)」とは?
耳慣れない言葉ですが、こちらも中国由来のもの。
7月7日に織女星にあやかり、機織りや裁縫が上達するよう祈る風習が元となっており、そのうちに機織りだけでなく、芸事や書道の上達も願うようになったそうです。
日本では、平安時代に伝来した当初、宮中や貴族だけで行われていましたが、江戸時代には手習い事の願掛けとして民衆にも広まりました。
現在の七夕の短冊に願いを書く風習の元となっています。
現在の七夕
現在では「織姫と彦星の伝説」が中心となり、「二人のように願いごとが叶いますように」と、短冊に願いを込め、笹や竹に吊るす、という行事になっています。
ちなみにまっすぐ育ち、生命力に溢れた笹や竹には不思議な力があると考えられており、神聖な植物として扱われ、神を宿すことができるとも言われているそうです。
神を宿す植物に、願い事を託して届けてもらうんですね。
七夕の風習
七夕といえば、笹に願い事を書いた短冊を吊るすのですが、他にも七夕飾りをかざったり、七夕に食べるべきものがあるようです。
五色の短冊
現在は折り紙で作られた、ピンクや金や本当に色とりどりの短冊を見かけますが、本来は短冊には決まった色があります。
中国の陰陽道の五行に由来したもので、「青(緑)・赤・黄・白・黒(紫)」の五色です。
「青=木、赤=火、黄=土、白=金、黒=水」と自然界のことを表しているそうです。
色ごとに意味がある
実は、それぞれの色に意味があるそうです。
- 青(緑)=徳を積む、人間力の向上
- 赤=父母や祖先への感謝
- 黄=信頼、友人・知人を大切にする
- 白=義務や決まりごとを守る
- 黒(紫)=学業の向上
願い事を書くときは、これらの色の意味を意識して書くと、願いが叶いやすくなるかもしれません。
また、書くときは「~しますように」「~なりますように」ではなく、「~する」「~なる」と断言して書くと良いそうです。
七夕飾り
短冊のほかにも色々と飾りをつけますが、それにもそれぞれ意味があるそうです。
- 紙衣=裁縫の上達を願う(棚機津女の織った衣を象徴)
- 巾着=金運上昇
- 投網=豊漁を願う
- 屑篭=整理整頓、物を粗末にしない
- 吹き流し=織物の上達を願う(織姫の織り糸を象徴)
- 千羽鶴=長寿を願う
最近では短冊しか意識になかったのですが、そういえば、昔学校で飾りを作ったなぁ、と思い出しました。
こんなに色々な意味があったんですね。
七夕に食べるもの
行事には決まった食べ物があるものも多いですが、そういえば七夕ってなにかあるんだろうか?と思っていたところ、ちゃんとありました。
七夕の行事食はそうめんだそうです。全然知りませんでした。
なんでそうめん?
七夕にそうめんを食べることの由来に関してはいくつか説があるようです。
- 中国から無病息災を願い食べられる「索餅(さくべい)」という小麦粉料理が伝わり、それを七夕のときにお供えしていたことから転じた
- そうめんが天の川に似ていることから
- そうめんを織姫の織り糸に見立てて
これらの由来から、七夕にそうめんを食べることには、1年間の家族の健康を祈ったり、裁縫や織物の上達を願う、という意味があるそうです。
暑さも厳しいですし、せっかくなので、今日は夏の主役でもあるそうめんを夕食に頂くと良さそうです!
なんだかふんわりとした認識しかなかった七夕ですが、調べてみると色々な由来や風習があり面白いですね。
中国とこんなに関わりの深い行事だとは知りませんでした。
ちょっと笹は準備できそうにないので、短冊は物干しにでも吊るして、そうめんを食べながら成就を願おうと思います。
皆さんも、織姫と彦星も、願いが叶いますように。