【特別お題】優等生から派遣・契約社員、ニートになるまで、そしてこれから
昔から何かを選ぶことが苦手でした。
何かを選んで、そのときに捨てなければならない何かがもったいないような気がして、取り返しのつかないミスをおかしているような気がして、選択を先延ばし先延ばしにしてきました。
無難な選択はなにかを考えながら、でも内心は自分を認めてほしくて、やりもしないくせに「やればできる子」なんだとずっと自分に言い訳をし続けて、現実から、選択から逃げ続けてきました。
いま、29歳になって、私はニートで、未婚で、ビジョンもありません。
それでも時間は過ぎるし、ぼんやり過ごしていても、私はまた歳を取り、来年にはもう30歳になります。
今回は、「今週のお題」がSK-Ⅱさんとのコラボ企画で特別お題「『選択』と『年齢』」ということなので、ちょっと真面目に自分のことを振り返り、これからについて考えてみようと思います。
風が吹いていた小中高時代
私はかつて優等生でした。
小学生の時からそこそこ勉強ができて、割と真面目で、かと言って大人しすぎるわけでもなく、先生方に好かれる子供でした。
中学、高校と行きたいと思えるところがあり、受験をして無事希望通りの学校に進みました。
中学では放送部もなかったのに朗読を始めてコンクールで入賞したり、高校では部活で朗読を続けながら、全国規模の高校生の会議に参加したりと、自分で言うのもなんですか「良い子」で「自慢の娘」だったと思います。
そして私自身、とても楽しく、充実した毎日を過ごしていました。
やりたいことがあればやりたいと、手を挙げられていたからだと思います。
この頃の私は、いつも自分のやりたいことに素直に、チャンスがあれば突っ込んでいくような生き方をしていました。
それはきっと、自分への自信と、選択肢を与えてくれる環境のお陰だったと思います。
私は自分が「出来る子」で「特別」だと思い込んでいました。
中学も高校も、色々と新しいことや幅広い分野に挑戦する学校でした。
色々な方向へ風を吹かせて、いつでも生徒たちが動けるように可能性を広げてくれていました。
私は自分の船の様子を見ながら、その風に乗っているだけで良かった。
あそこに行きたいと言えば、時に先導してくださる先生方もいた。
両親も私がやりたいことは、ほとんどやらせてくれた。
こうして私は、多くのアシストを受けながら、可能性の海を縦横無尽に走り回っていたのです。
風が凪ぎ始めた大学選び
充実した生活を送っていた高校生の私ですが、初めて深く選択に悩んだのは大学選びでした。
高校までは自分の住んでいる場所の中で、しかも専門分野など特に選ぶ必要はなかったので、かなりスムーズに自分の希望を決められていました。
しかし、大学を選ぶとなると選択肢は膨大な数になります。
所在地、大学、学部、学科。
決めるべきことはたくさんあるのに、そのとき私の頭に浮かんだのは、とりあえず文系ということだけでした。
実家を離れるのか、離れるとしてどこまで行くのか。九州?関西?東京?
学部は文学部?心理学部?教育学部っていう手もあるかもしれない。
私は恐らく、このとき初めて、自分にビジョンがないことに気がつきました。
いえ、本当は、ずっと抱えていた夢はありました。
夢を追うために勉強しようと思えば、専門の大学を受験するという選択肢もありました。
しかし、夢の世界は狭き門で、私にはその選択肢を選ぶ勇気がなかった。
私は自分で自分の夢を諦めてしまったのです。
夢をビジョンとして定めることができなかった私は、なにを目指せば良いのかわからなくなってしまいました。
風は凪ぎ、私の船は停滞していました。あー、やばいなー、と漠然を感じていました。
そんな時、外から風が吹いてきました。
高校の先生から、ぴったりの学部があると声をかけて頂いたのです。
推進力を取り戻した私は、その風に乗りぐんぐん進みました。
そうして無事に、大学というひとつの港にたどり着くことができました。
あの時私が声をかけて頂けたのは、やりたいことをやって、動き回っていたからだろうと思います。
一瞬風は凪いだけれど、それまでの船旅の軌跡が、なんとか私をもう一度押し進めてくれるきっかけになったのだと。
同じところを回り続けた大学生活
そうして入学した大学では、学部の友達と遊んだり、サークルに入ったり、バイトをしたり、本当に楽しくすごしました。
初めての一人暮らしにも慣れ、モラトリアムを謳歌しまくっていました。
しかし、今思えば、あの頃の生活はとても充実していたけれど、私は大学生活でなにか成長できたのかな、と後悔する部分も大きいです。
いろんな人と出会って、授業やサークル活動や、遊びもバイトも満喫していたと思います。やりたいことも色々とやりました。
でもあの頃私の船は、同じところをずっとぐるぐると回り続けていただけで、どこにも向かっていなかったような気がします。
私には、自分の未来がなにも見えていませんでした。
見えていないことに焦りながらも、探そうともしていませんでした。
ずっと、いつか風が吹くのを待っていたように思います。
大学選びで迷っていた時、先生が答えをくれたように。
しかし、高校のときと違って、私は風を起こす種をまくこともできていませんでした。
しかも、なにも成し遂げたことがない自分に焦りながらも、「特別だったはずの自分」への幻想も消えず、周りの言うことも素直に聞けなくなってきていました。
怠惰で、視野の狭い、ダメ人間になってしまっていました。
無理やり船を漕ぎ出してみた社会人時代
結局私は、ビジョンが見えないと言いながら、真面目に就職活動をすることもなく卒業し、そのまま一旦派遣社員になりました。
とりあえずお金は稼がなくては、と思ったからです。
ケータイのコールセンターの仕事で、時給は悪くなかったのですが、精神的に辛く、半年ほどで辞めてしまいました。
それから1ヶ月ほど貯金を食いつぶしてダラダラ過ごし、またこのままでまずい、と思って今度は契約社員として働き始めました。
この仕事は5年程続きました。私の前職です。
この社会人時代に私が持っていた気持ちは、「お金を稼がなくては、食べていかなくては」とほとんどそれだけでした。
特に前職は拘束時間が長く、その割に給料は低く、休みの日は寝てばかりいました。
働いて休むだけの日々で、お金も貯まらず、またどこにも行けていないと感じました。
しかも、今回は大学生活と違って、楽しくもありません。
無理やり漕ぎ出してみたものの、なんの見通しもない私の船は、毎日浜と浅瀬を行ったりきたりして、結局どこにもたどり着かないようでした。
しかも、なまじぎりぎりでも生活できてしまっているために、ずっとその浜から離れられないような気持ちになってきました。
辞めよう、と久しぶりに私は選択をしました。28歳。
凪いだ海の真ん中でばしゃばしゃとあがくニートな現在
そして今、ニートになり、3ヶ月ほどが過ぎました。29歳になりました。
辞めた時はワクワクしていました。
環境が変われば、人生も変わるという安易な期待がありました。
これだけ人生を怠惰に過ごして後悔したくせに、まだ風を待とうとする愚かな自分がいました。
やっと今、私が変わらなければ、なにも変わらないということを、じりじりと感じ始めました。
無理やり会社という浜を離れて、浅瀬から沖まで出てきたのですが、相変わらず凪いでいて、相変わらず焦っています。
しかし、ほんの少しずつですが、私自身も変わり始めているのではないかなと思います。
このブログを始めて、1ヶ月と少し。
プライドばかり高くて、発信することを怖がっていた私が、全く見る人もいなかった状態で、誰にともなく文章を書くことができるようになりました。
6月下旬からは毎日、多少不完全な状態でも表に出そうと、続けることができるようになりました。
今はまだ、だからなんだと思うような、ただの自己満足の段階でしかありませんが、とりあえず、言い訳をしてやらないのではなく、始めれらたこと、続けられていることを自信に繋げていきたいです。
今は、今までやってこなかった分、ばしゃばしゃと格好悪くあがく時期だと感じています。
先延ばしにしてきた分、色々なつけが回ってきている部分もありますが、私は働きたいし、結婚したいし、趣味を楽しみたいし、幸せに生きたい。
こうやって宣言して、不恰好な自分を晒しながら、少しずつでも前に進みたいと思います。
過去の怠惰や失敗を悔やんでも、今はもう変わらないし、後悔して悩んで立ち止まっている間に、さらに状況は悪くなる。
いつだって、今がベストだと思って進まなくては。
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7/14追記
昨日、この記事がはてなブックマークの新着エントリー入りし、多くの人に見て頂くことができました!(昨日だけで118PVでした。)
初の新着入りでとても嬉しかったので、追記しておきます(笑)
読んで頂いた方、スター・ブックマーク頂いた方、ありがとうございました!
1件、はてブでコメントを頂いていたので、コメント返しを。
id:orangetrione 仕事するのに気合い入れた事なんか一度も無い気がする。でも張り詰めて切れちゃう人をたくさん見たので俺はこれで良いや。良く言えば「足るを知る」になるかな?ならんか
「足るを知る」大事ですよね。
でも、私の場合はまだ「足る」ところまでもいけてない気がして。なにもがんばれてないじゃん、という。
orangetrioneさんにとって、人生において仕事はそこまで重要なファクターじゃないのかな、と感じました。
私も仕事自体にそんなに重点を置いていなかった(食べていければいいやという感じで)のですが、私の人生の時間をこんなに使うなら、もっと自分が楽しめることできるようにしないと損だと思って今模索しています。
人生においての優先順位を見極めて、時間や能力を使っていきたいなーと思っています。