アラサーニートの雑記帖

アラサーニートが感じたことや日々の出来事などを綴る雑記ブログです。

【映画】『探偵はBARにいる』を見ました

昨日『グレッグのダメ日記』のレビューを書いた際に、気が向いたらその前に見た『探偵はBARにいる』のレビューも書くと書いていたのですが、早速気が向いた、というか、せっかく見たならやっぱり記憶が新しいうちに残しておこうと思ったので、今回書いていこうと思います。

書くかどうか迷っていたのは、お酒を飲んでいたのと、台詞音量が微妙で聞き取れなかった部分がぼちぼちあったのと、バイオレンスに気を取られて話を本筋を見失ったところがあったからなのですが、そのへんも加味して、話半分、とまではいきませんが、8割くらいの雰囲気で読んで頂けると有難いかもしれません。(※あくまで個人の感想です)

 

探偵はBARにいる(2011年 / 日本)

東直己さんの推理小説シリーズ「ススキノ探偵シリーズ」の第2作目『バーにかかってきた電話』を原作とした探偵映画。

バーを根城にする私立探偵の〈俺〉を大泉洋さん、その助手・高田を松田龍平さんが演じ大ヒット。現在映画は第3作まで公開されている。

ハートボイルドものを謳っており、シリーズは全作PG12となっている。

 

あらすじ

ある日、札幌・すすきののバー「ケラーオオハタ」を 根城とする私立探偵〈俺〉のもとに、「コンドウキョウコ」を名乗る女性から1本の電話がかかってくる。

お金は振り込んであるので、ある弁護士に会って2月5日の「カトウ」という男の動向を探るように、との依頼を受ける。正体を隠そうとする依頼主と簡単そうな依頼内容をいぶかしみながらも、押し切られて弁護士のもとへ向かった俺。

弁護士がカトウという名前に反応を示したのを確認し、楽勝だったと帰るその途中で、俺は拉致され雪原に埋められてしまう。

危うく殺されかけた俺のもとに、コンドウキョウコから次の依頼の電話がかかる。

命を狙われるほどの事件の真相はどこにあるのか。コンドウキョウコとは何者なのか。

俺の命をかけた調査が始まった。

 

感想

大泉洋さんと松田龍平さんコンビの絶妙な空気感と、くすっと笑える台詞回しは楽しかったです。

携帯を持たない主義でバーの黒電話で依頼を受けたり、可愛いポンコツ車に乗っていたりと、そういった昭和的(?)な映像も美しかったです。

ただ、バイオレンス面がちょっと私には刺激が強すぎました。ストーリー的に外せない部分であればそれでもなんとか我慢できるのですが、あとあと振り返ってみてもあのシーン必要だった?となる感じで、せっかくコメディ調で楽しんでいたところで、なんだかもったいないなと思ってしまいました。(あれがハードボイルドなのでしょうか?)

あと、大泉さん演じる〈俺〉の行動がちょっと感情的すぎて、探偵としてはどうなのよ、と思うシーンが多かったです。熱い男演出なのでしょうか。

飄々とした探偵と助手の雰囲気は素敵だったので、暴力シーンに注力せずに、ストーリーとディテールにこだわって、コメディ路線強めでいってくれれば私好みだったな、と思いました。(勝手な願望)

おっぱいやHシーンの写真がノーモザイクで出てきたあたりは昭和な感じがして個人的には好きでした。

 

※ここからは作品の核心部分、ネタバレを含みます。ご注意ください。

 

〈俺〉と助手の抜け感は素晴らしい

どんな場面でもちょっと皮肉ってみたり、カッコつけてみようとする探偵〈俺〉と、とにかく寝ていることが幸せで、いつも俺のピンチが始まって、しばらく経ってやっと登場する助手の高田。

この二人の抜けた空気感はとても素晴らしかったと思います。

基本的に高田は俺のことを適当にあしらって、空気も読めません。面倒くさそうに、それでも危ないシーンでもついていこうとする高田。そんな高田にグチグチ言いながらもピンチにはやっぱり高田を頼る俺。

普段はほとんど意見を言わない、感情を見せない高田が、度重なる暴力による警告で死にかけた俺に「手を引け」と伝えるシーンは、二人の関係が見えてとても良かったです。

この二人の空気感と関係性、キャラクターはとても良かったので、もっとソフトなタッチの話であれば、シリーズの他の作品も見てみたいかなぁと思います。

 

煩雑なストーリーと思わず目を背けたくなる暴力描写

この作品ではコンドウキョウコからの依頼の目的とその事件の真相はなんなのかということと、コンドウキョウコは何者なのか、という主に2つの謎が主軸になっています。

依頼のもとにある大きなストーリーと依頼主という部分に謎を持ってくるストーリーの構成自体は面白いと思うのですが、本作品ではそこにヤクザが絡み、コンドウキョウコに絡むメインストーリーの他に、もう1本、ヤクザが運営する道場に通っていた少年とその家族のお話が軸を作っています。

が、この少年と家族の話がどうも私にはあまり頭に入ってきませんでした。

少年がコンドウキョウコにまつわる事件の実行犯をさせられ殺されて、その証拠を握っている少年の父親が、ヤクザ相手にゆすりを働き豪勢な生活をしている。

途中までゆすりに応じていたヤクザですが、謎のタイミングでぶち切れ、この家に乗り込み、父親はもちろん、何の関係もなかった妻も殺害します。

この殺害シーンが最悪でした。

父親への殺害前の見せしめのために、妻の脚を打ち抜いていきます。

悲鳴が漏れないようにクッションを顔に押し当て、ニタニタと笑いながら容赦なく引鉄をひきます。

敵の残虐性を強く残したかったのかもしれませんが、このシーン必要だった?

というかそもそもこの親子のエピソード自体必要だったのか疑問です。

他にも俺への脅しのためにガンガン暴力が振るわれますが、結局コンドウキョウコの正体を考えると、あの最後の脅しシーンも納得できず。

暴力絡みのシーンにあそこまで時間を割くなら、もう少しストーリー説明やサイドの人物達の描写を丁寧にやってほしかったかもしれないです。

 

感情任せに暴れる探偵

あと一番気になったのは、俺の行動がいつもかなり感情優先なこと。

特に前述の夫婦の殺害シーンを目撃した後、怒りに任せて現場で暴れまわったシーンは、いやいや、と思ってしまいました。

他にも明らかに危険な場面でどんどん突っ走ったり、後先考えずとりあえず敵陣に乗り込んでいったりと、感情的で熱血漢というキャラクターだとしても、探偵としてそれはどうなの、と感じる部分は結構多かったです。

そういう意味では助手の高田の方が探偵らしかったかもしれません。

ただ、高田も軽く注意はしながらも、結局俺の行動についていってしまって、止めるところまでは至らないので、もう少し高田のコントロール力が増せば、コンビ探偵としての色が出るかもしれません。

とりあえず、ハードボイルド探偵ものというよりは、ヤクザバイオレンスものという雰囲気でした。

 

 

会話や二人の雰囲気は好きだったので、暴力によってしまったのがやっぱり個人的には惜しいなぁと思う作品でした。

あと、この作品に限らずですが、邦画ってDVDとかになるとBGMと台詞の音量や、シーンごとでの音量バランスの悪さがすごいのはなんなんでしょうね(笑)上げたり下げたりしながら見るのに疲れて、途中聞き飛ばしたところが結構ありました。

シリーズのほかの作品は、あらすじと他の方のレビューを参考にして、見るかどうか検討しようかなと思っています。

あ、あと、ハードボイルドとはなにか、調べてもイマイチ分からずで、詳しい方がいればぜひ教えて頂けると嬉しいです!