1日最長4分で腹筋を鍛える!「プランク」を約1ヶ月間やってみた感想
昔から結構痩せていると言われることの多い私。
太りにくい体質なんだわ、と思ってかなり調子に乗って過ごしてきました。
しかし、20代も後半に入ったある日、私は気付いたのです。
私のお腹、ポッコリしすぎじゃない?
何を隠そう、お胸のエンジェル具合には自信のある私です。
お腹がちょっとでもポッコリしてしまえば、私の身体の頂点はささやかな胸からポッコリお腹へと簡単に移ってしまいます。
痩せてさえいれば、多少胸がなくても、若干くびれが弱くても、スレンダーだから!と言い訳ができます。
しかし、お腹が出てしまえば、そんな言い訳は通用しません。
何より自分で自分の身体を見たときのテンションの下がり具合が半端ないです。
あー、きたない。なんとかしなければ!
食後のポッコリお腹の原因
自分の身体を改めて見てみたところ、食事をする前の時間であれば、以前からの体型を保っているように見えます。
お腹がポッコリしているのは食後のみ。
調べてみると、腹筋が弱っていると、胃の膨らみを筋肉でおさえることが出来ずに、そのまま外側までポッコリとお腹が出てしまう状態になるとのこと。
大学を出てからまともに運動した記憶がない私には心当たりありまくりです。
こうなると、手っ取り早いのは腹筋を鍛えるという手段。
早速効果的な腹筋の鍛え方を調べてみました。
三日坊主にならない!腹筋のトレーニング
腹筋を鍛える、といえば、オーソドックスに仰向けに寝た状態から上体を起こす(駄洒落じゃないですよ!)腹筋運動が思い浮かびますが、一人でやると足が浮いたりして効果が弱そうだし、意志の弱い私にはなんとなく三日坊主になってしまいそうな予感がありました。
そこで、もっと簡単な方法はないかなぁと面倒くさがり魂を全力で発揮して、グーグル先生に聞いてみました。
そうしたら、とても魅力的なものを発見したのです!
プランク
「1日4分。お腹を下にして横たわるだけ。」
こんな魅力的な文言に惹かれて出会ったのがプランクでした。
やり方は実に単純。
- うつ伏せの状態で、肘で体を支えるようお尻を持ち上げる
- 両肘とつま先で体を支えます
- 頭から胴体・脚先まで真っ直ぐ一直線になるようにキープ
- 視線はやや前方を見る
お尻や背中が変に持ち上がったり反ったりしないように気をつけながら、なるべく身体が一直線になるのを意識してそのままキープします。
詳しい内容は下記のサイトや、「プランク」で検索するとたくさん出てきます!
30日間プランクチャレンジのやり方・効果検証の結果 | 筋トレTIPS
(※私が最初に見たサイトは繋がらなくなってしまっていたので、別のサイトをリンクしています。)
はじめは20秒から
やり方は単純で、1日たったの4分!
しかもなんと最初は20秒からで良いとのこと。
早速やってみると、20秒は余裕でした。これはいける。
しかし、ここから数日後、私はプランクの本当の恐ろしさを知ることになるのでした。
1分を過ぎたあたりから限界を感じ始める
私が最初に参考にしたサイトでは、プランクのスケジュールは下の表のように組んでありました。
45秒くらいまでは余裕でこなしていた私でしたが、60秒を超えたあたりから徐々に雲行きが怪しくなってきました。
身体が熱くなり、汗が出始め、腹筋はもちろん、腕も足もぷるぷるしてきます。
なんだこれ・・・?
そうです。プランクはイメージよりもずっと厳しいトレーニングだったのです。
一度は断念するも、最近再開してついに4分の大台へ!
実は、最初にやってみたのはもう何ヶ月も前なのですが、その時はおそらく2分半くらいまでいったところで、いつものサボり癖が出て辞めてしまいました。
しかし、最近になって、恋人からそういえば腹筋もうしてないの?と言われました。
いつも続かないね、と厳しい一言も頂いてしまいました・・・。
綺麗になって、もっと好きになってもらう!
そう心に決めて、心機一転、9月の頭くらいからまた再開しました。
今回は40秒から始めることにしました。
そして、私の昨日までの実行状況がこちら。
元のスケジュールには休息日が入っていましたが、1日休むとどんどん休んでしまう自分の性格を考えて、敢えて休息日は入れず、できる限り毎日続けるようにしました。
そして、今では毎日4分を続けています。(ちょっとサボっちゃってますが・・・)
正直、4分はものすごくきついです。
2分過ぎたあたりから、色々なところの痛みがひどくなり、頭の中で無心で時間を数えています。
3分過ぎると自分の身体が床に着きそうなほどに沈んでいるのに気が付きます。
何度も体勢を立て直します。
始める前はたかが4分と思っていましたが、実際にやってみると4分は絶望的に長いです。
それでも、毎日たった4分。死ぬほどきつくても4分です。
というわけで、これからも記録を取りながら続けていこうと思います。
プランクを約1ヶ月続けてみて
最後に、気になる効果の程を、私の実感だけですが書いておきます。
- 食後のポッコリは結構改善された(気がする)
- 便秘が解消された
以上の2点が、私が約1ヶ月プランクを続けて得られた効果の実感です。
1つ目に関しては、まだまだポッコリとはなるのですが、以前に比べるとだいぶマシになったように感じます。
そして、2つ目はかなりはっきりと実感しているのですが、便秘が解消されました。
元々結構便秘になりやすかったのですが、プランクをはじめて1週間ほど経った頃から、徐々にお通じが良くなり始めました。腹筋すごい。
このように、私としてはやってみて良かったなと思っています。
せっかく1ヶ月ほど続けられたので、4分の苦痛に負けずにがんばっていきます。
特別な道具もノウハウもいらず、手軽に始められるので、腹筋が気になっている方にはぜひオススメです!一緒に4分耐えて、引き締まったお腹周りを手に入れましょう!!
そして、4分4分と連呼していたのですが、実は他のサイトでは30日で5分までのスケジュールのものもあってちょっと戦慄しています・・・。5分はまだちょっと無理そう・・・。
というわけで、しばらくは4分を続けつつ、一旦は5分を目標にやっていこうと思います。
そのうちビフォーアフターの写真とか載せられるくらいになるといいな・・・。
温泉!牧場!滝に龍馬!霧島&(ちょっとだけ)高千穂に行ってきました
先週末、父方の祖父の卆寿と祖父母のダイヤモンド婚(結婚60周年!そんなに連れ添えるって素晴らしい。)のお祝いのために、鹿児島県は霧島に行ってきました。
1泊2日で温泉や食事、高千穂牧場などを楽しみましたので、今回はそのレポートを書いていきます!
【1日目】卆寿&ダイヤモンド婚のお祝いの食事会、そして温泉
今回の旅程で決まっていたのは、1日目の夕飯をみんなで食べるということのみでした。
とりあえず15時頃にホテルに到着。
部屋に荷物を運び入れました。
霧島観光ホテル
宿泊したのは展望温泉が自慢の霧島観光ホテルさん。
お部屋も広くて綺麗でした。
愛犬のさくらを連れてきていたのですが、犬と一緒に泊まれるお部屋は少しお値段高めだったためペットホテルに泊まってもらいました。
ただ、霧島観光ホテルにはドッグランが併設されていて、ホテル宿泊者なら無料で利用することができ、私たちもさくらをしばらく遊ばせてから、ペットホテルへと連れて行きました。
ドッグランには水道やタオル、エチケット袋なども用意されていてとても便利!
(写真を撮り忘れました。痛恨のミス。)
お食事
さくらを預けて、ちょっと部屋でゆっくりしていると夕食の時間に。
今回は私たち家族と、祖父母の家族で二部屋利用していて、部屋食が難しかったため個室を借りてのお食事となりました。
この写真は最初に出てきていた分だけ。
これでも豪華ですが、他にもお吸い物や豚の角煮、ロブスターの兜焼きなど、盛りだくさんな内容でした。
右下のピンクの液体は食前酒で、ハイビスカスのお酒だそうです。甘くて美味しかった。
美味しいお食事を頂きながら、祖父母家族とも楽しくお話ができ、良い時間を過ごすことができました。
温泉
食事の後は楽しみにしていた温泉です。
霧島観光ホテルには温泉が二種類あり、ひとつは露天風呂、もうひとつは展望風呂です。
もうすっかり日も暮れてしまっていたので、展望風呂に行っても何も見えないだろうということで、1日目の夜は露天風呂に行きました。
露天風呂には珍しくジャクジー仕様のお風呂もあって、シュワシュワ弾ける感じと、やわらかいお湯の肌触りが気持ちよかったです。
また、源泉の蒸気を利用した「蒸し湯」というサウナのようなものがあり、サウナに比べて温度も低く、息苦しさも少なく、思わずぼーっと過ごしてしまうような気持ちよさでした。
2日目の朝には展望風呂へ。
朝日が目に沁みる中、目の前に広がる桜島。
とても素晴らしい景色でした。
目覚ましで起きたものの眠くて、行くかどうか結構迷いましたが、せっかく来たのだからと行ってみてよかったです。
朝日を浴びながら、景色を満喫しながら、温泉に浸かってゆっくりと目覚めていく朝なんて、本当に贅沢ですね。
どちらもとても良いお湯でした。
ちなみに展望風呂を出たところには、人間をダメにするソファがこれでもかと置かれた休憩スペースがありました。
この時は朝だったので全然人がいなかったのですが、ちょっとだけゴロっとさせてもらうと、窓の外の爽やかな景色もあいまってとても気持ちよかったです。
眠ってしまいそうだったので、短い時間しかいられなかったのが悔やまれます。
次はもっとゆっくりできる時間に行きたい・・・!
さて、そんなこんなで霧島観光ホテルさん、とても満喫させて頂きました。
ありがとうございました。
詳しい情報が知りたい方は、下記の公式HPよりどうぞ!
【2日目】高千穂牧場、丸尾滝、塩漬温泉竜馬公園
1日目をホテルでまったりと過ごし、2日目チェックアウト後は少し観光へ。
まずは祖父母の希望で高千穂牧場へ向かいました。
高千穂牧場
宮崎県都城市にある牧場です。
霧島の温泉郷エリアからは車で約20分程度でした。
ゲートから入ると、しばらく坂道が続きます。
もしもご高齢の方などで上り下りが厳しい場合は、無料で送迎カートも出してくれます。
(上りの場合は駐車場にある電話で連絡。下りの場合は上にある事務所に直接申し入れる形になっていたようです。)
牧場では牛さん、馬さん、羊さんを見ることができました。
可愛い動物さんたちの写真をどうぞ!
(馬さんは写真を撮り忘れました。痛恨のミス。)
牛さん
サービス精神旺盛で、手前まで出てきてくれました。
撫でることもできました!モーと鳴くのが可愛い。
お顔だけ黒い子や、いかにも乳牛といった柄の子たちもいました。
羊さん
厩舎の外にえさの販売機があって、餌をあげることができます。
1回分200円。もなかに入っていました。(もなかもあげることができます。)
手から直接食べてくれます。可愛い。
たくさんいるので、餌を取りにぐいぐい来る子と、遠慮しちゃう子がいたりして、そういった羊社会の一端を垣間見れたのも楽しかったです。
愛嬌いっぱいの動物さんたちと、爽やかな景色にすっかり癒されたのはもちろん、牛乳にバターにウィンナーにと、しこたまお土産を買い込んで牧場を後にしました。
丸尾滝
高千穂牧場を出て、祖父母家族とはお別れしましたが、母の希望で丸尾滝という滝へ。
林田温泉や硫黄谷温泉といった上流の温泉水が集まって落ちる、珍しいお湯の滝なのだそうです。
高千穂温泉郷の近くにありました。車で10分~15分くらいのところです。
道端に車4~5台分くらいの駐車場もあり。
塩浸温泉龍馬公園
最後は移動中に通りかかって気になっていた坂本龍馬ゆかりの場所に寄ってみました。
龍馬が新婚旅行の際に逗留した塩浸温泉。
龍馬自身が入ったとされる湯舟などもあるそうです。
と言いつつ、龍馬の銅像等の写真は撮っておらず・・・。
美しい渓流沿いにあり、散歩をしながら景色を楽しみました。
塩浸温泉龍馬公園|観光スポット|鹿児島県観光サイト/本物。の旅かごしま
実は霧島には2年前にも同じように祖父母家族と訪れていたのですが、そのときは霧島神宮に行ったくらいで、あまりちゃんと観光できていなかったので、今回結構色々と見て回ることができて楽しかったです。
木々の緑の深い山の景色と、硫黄の匂いがただよう温泉。とても癒される場所でした。
皆さんもぜひ、訪れてみてください!
【小説】真梨 幸子『ふたり狂い』を読みました
今回は狂気に満ちた作品のレビューです。
書き手は個人的に「イヤミス」と言えばこの人、と思っている真梨幸子さん。
ドロドロの展開と、張り巡らされた読み物としての面白さの仕掛けの融合がなんとも言えない魅力を生み出している方だと思います。
真梨 幸子『ふたり狂い』(2009年)
50万部を超えるベストセラー『殺人鬼フジコの衝動』などで知られる、後味の悪いミステリー「イヤミス」の旗手・真梨幸子さんの作品。
女性誌「フレンジー」で連載されている人気小説「あなたの愛へ」。ある日、その同姓同名の主人公が自分自身だと思い込んだ川上孝一が、著者の榛名ミサキを刺す事件が発生する。
それに端を発して起きる、デパ地下の惣菜店での異物混入事件やネット上での企業への誹謗中傷事件、あるマンションで連続する殺人事件。
果たして真相はどこにあるのか。誰が正気を保っているのか。
狂気と妄想が渦を巻き、現実を絡めとる短編連作小説。
真梨さんの作品は、ベストセラーになった『殺人鬼フジコの衝動』を含めいくつか読んでいますが、毎回毎回本当に後味が悪いです。
人の嫌な部分をこれでもかと凝縮させた作品は、しかしなんとも言えない魅力を持って、また次の作品へ読者を誘い込みます。
そうして誘惑に負けて手にとってしまった本作でも、やはり後味の悪い思いをさせられることになりました。
また、真梨さんと言えば、その構成の巧みさにも定評のある作家さんですが、本作では特に、その構成にこだわって作られているなと感じました。
短編連作の形をとっており、その一遍一遍において形の違う狂気が描かれています。
それぞれの短編にその物語を象徴する言葉がタイトルとしてつけられており、各話の冒頭にその言葉の意味が書かれていて、そこから物語の持つ狂気の形、その帰結を想像しながら読むことができます。
各短編の持つゾクゾクするような狂気と、オチへと向かっていくスリルはとても楽しく、後味は良くないのですが、ある意味すっきりとした読後感でもあります。
しかし、それらを連作として繋ぎ合わせようとすると、その時系列の飛びや、登場人物の多さでモヤモヤ感が強くなります。
さらに、この作品では誰が正気で誰が異常なのか、何が現実で何が妄想なのかがはっきりしないので、そういったものがたくさん重なっていき、通しで読むと、モヤモヤが積み上がっていく感覚になります。
そのモヤモヤこそが、きっと本作の狙いなのでしょう。
ふたり狂い。狂っているのは登場人物の誰だったのだろう。そう考えている私こそが、狂ってしまったのかも。
そんな気持ちにさせられる作品でした。
各短編タイトルの妙
前述の通り、本作では各短編にその物語を象徴する言葉がタイトルとしてつけられています。
収録されている短編は全部で8篇。
それぞれ「エロトマニア」、「クレーマー」、「カリギュラ」、「ゴールデンアップル」、「ホットリーディング」、「デジャヴュ」、「ギャングストーキング」、「フォリ・ア・ドゥ」と名付けられています。
そして、各話の冒頭にそのタイトルの言葉の意味が載せられているわけです。
たとえば最初の「エロトマニア」は下記の通り。
【エロトマニア】情熱精神病、あるいは恋愛妄想。ほとんど接触がない相手に一方的な恋愛感情を抱き、自分も愛されているという妄想が全生活を縛りつける症状。有名人やアイドルがその対象になることが多い。
そしてこの「エロトマニア」は人気恋愛小説の著者に愛されているという妄想を持った男が、ついには著者を刺してしまったというようなあらすじになっています。
その物語の核となる部分を、タイトルで読者に提示してしまうのです。
しかし、これがポイントなのね、とわかったつもりで読み進めていると、予想外の結末やより深い暗闇に連れて行かれることになります。
この落差が癖になる面白さです。
そして、タイトルとして選ばれている単語の意味の掴めなさ(一部知っているものももちろんあるのですが)と、冒頭の無機質な説明が、これからどんな場所に連れて行ってくれるのだろうというワクワク感を与えてくれます。
ちょっとした都市伝説を聞くときのような、怖いもの見たさの楽しさを引き出してくれる、素晴らしい演出だなと感じました。
全てが狂気と妄想の中に飲み込まれる
この作品の魅力は、誰が正常で、なにが現実なのか、どんどんわからなくなっていくその感覚にあるのかなと思います。
もちろん、メモを取ったりしながら時系列や登場人物を並べていけば、作中の出来事の実際の形に近付くことはできると思いますし、私自身も後で表でも作ろうかなと読みながら思ったりすることもありました。そういう楽しみ方もあると思います。
しかし、話の断片を繋げて全体を把握しようとする感じや、曖昧な部分を後で調べようと思いながらそのままにしてしまう感じ、そして結局曖昧なところが曖昧なまま出来上がった歪な物語にモヤモヤしてしまう、そういった現実感を感じる楽しみもあるのかなと感じました。
そうやって、無責任な噂や都市伝説が生まれて、消費されていくその現実感。
そしてその中で、正気と狂気、現実と妄想の区別がなくなって、一緒になって渦巻いているような感覚をなんだかとてもリアルに感じました。
某名探偵は「真実はいつもひとつ!」と声高に叫んでいますが、真実は見る人によって違うのだろうと思います。
端から見て起こった事実と異なる主張をする人がいたとしても、その人が嘘をついているとは限らない。
その人はその人の「真実」を述べているだけかもしれない。
その時妄想の世界に飲み込まれているのは相手なのか自分なのか。
現実や真実の粗さや脆さを突きつけられた気がしました。
読み終わってすぐは、結局あの話の真相はどうだったんだろうとか、あのエピソードって必要あったかな、全体の流れとは関係なかった気がする、なんて思って、ちょっと消化不良気味かなと感じていたのですが、時間が経つにつれて、いやでもそれで良かったのかもと思えてくる不思議な作品でした。
こういう作品に関しては、色んな方の考察を調べて読むのも楽しいです。
今回は真梨さんらしい後味の悪さもありながら、個人的にはエンターテイメント的な楽しみの強い作品のように感じました。
ただストーリーとしてすっきりはしないので、そのあたりは好みが別れるところかなと思います。
気になる方がいらっしゃったら、ぜひ読んでみてください!
スマートニュースに初掲載も!9月のブログ振り返り
いつも末日にエントリーしていたブログの振り返りですが、9月末はPCの調子が悪かったり、昨日まで祖父の卆寿のお祝いで家族で旅行に出ていたりとブログを更新できずにおりました。
というわけで、ばっちり言い訳したところで、早速9月の振り返りに入っていきたいと思います。
9月の目標
まずは9月の目標の確認からしていきます。
<数値目標>
- 1日1記事更新(9月こそ!)
- 月間5500PV
- 読者200名
<その他>
- 記事の執筆時間の計測(引き続き)とスピードアップ
- 書き溜める習慣をつける
- はてなProへ移行⇒Googleアドセンスの導入?
- 散文や詩などの創作文をメインにしたサブブログの開設(長期目標)
- 朗読等声をメインにしたYoutube等のコンテンツ作成とブログとの連携(長期目標)
9月の目標は上記の通りでした。
これを元に振り返りを行っていきます。
9月の振り返り
目標①1日1記事更新
9月は4日間更新できていない日があり、また達成できずでした。
9月こそは!とか言いながら、先月より更新しない日が多くなってしまいました。
やっぱり、1日でも休んでしまうと次に休むハードルが低くなってしまうので良くないなと感じました。
最近PCの調子も微妙ですし、不意の体調不良や精神的に辛いこともあると思うので、そういったところを予め考慮して、やはり書き溜めであったり、なにかスタイルを変えていくべきかなと思っています。
逆に毎日更新の目標は一旦おろして、月何回までは休める、と自分の中で決めておくのも有りかなとも思っているのですが、今自分に甘くなってしまっている感じもするので、とりあえず10月いっぱい、もう一回毎日更新でやってみようと思います。
(と言いつつ昨日10/1に早速お休みしてしまっているので、今月は本日10/2から毎日更新という目標にします。すみません・・・。)
目標②月間5500PV
こちらは約6300PVほどだったので、無事目標達成できました!
月の半ばあたりまで、平均して1日に250くらいのPVがあったことと、初めてスマートニュースに掲載されて、その日だけで500を超えるPVを頂いたことが大きかったです。
スマートニュースに関しては、後で詳しく書きます。
ただ、やはり後半にかけてずるずるとPV数が落ちていっているので、更新ができなかったり、できたとしても夜中の1時や2時になってしまう日が続いていたので、そのあたりでのはてなブログユーザーの皆様のPVが減ったことが大きな原因の1つかなと思っています。
検索流入に関しても、やはり月の後半に落ち込んできているので、Google先生の鋭い観察眼に改めて気付かされました(笑)
10月に関しては、月間7000PV(226PV/日)を目標にします。
昨日のPVが110くらいで既にレスしてるので結構怖いですが、サボり防止の気持ちを高めるためにもちょっと高めの目標を設定しておきます。
目標③読者200名
現在読者173名ということで、こちらも残念ながら達成できず。
しかし、8月末140名⇒9月末173名なので、この1ヶ月の間に33名もの方に新たに読者になって頂きました。ありがとうございます!
意外とはてブが結構ついている時などではなく、なんでもないタイミングで読者になってくださっている方がいたりして、なんだか面白いなぁと感じます。
過去記事まで遡って読んでスターなど付けてくださる方もいて、とても嬉しいです。
10月の目標もキリが良いし据え置きで200名と思わなくもないのですが、ここももうちょっと厳しそうな目標を立てておきます。
10月は読者210名を目指します!
初めてスマートニュースに掲載されました!
ある日気が付くと、なんだかいつもよりかなりPVの伸びがとてもはやく、気になってアクセス解析を開いてみたところ、流入元に「smartnews」の文字が!
他の方がスマートニュースに載ったという記事を見て羨ましく思っていたので、自分も載ることができたのだととっても嬉しく思いました。
スマートニュースに掲載された記事
今回スマートニュースに掲載されたのは、小川洋子さんの『偶然の祝福』という小説をレビューした記事でした。
小川洋子さんは大好きで、自分なりにまあまあ良く書けたかな、とは思っていたのですが、はてブは4つで今までの記事の中でもそこまで多いということもなく、正直言ってなぜ取り上げて頂けたのかはよくわかりません。
スマートニュースさんのアルゴリズムに上手くひっかかったということなのでしょう。
掲載されている画面を見たい!
せっかく掲載されたのなら、その画面を見てみたい!
ということで、とりあえずスマートニュースのアプリを早速スマホにダウンロード。
しかし、並んだカテゴリのどのページにも掲載されている私の記事は見当たりません。
そこで調べてみたところ、下記の記事を発見しました。
スマートニュースには予め設定されているデフォルトのカテゴリとユーザーが追加していくカテゴリがあるとのことで、はてなブログはユーザー追加カテゴリ中の「はてな」というカテゴリに入ることが多いとのことでした。
そこで「はてな」カテゴリを追加してみたのですが、やっぱりない・・・。
短時間しか掲載されずに、調べている間にもう流れてしまったのかな、と諦めかけていたのですが、Googleアナリティクスを見ると、どうもまだスマートニュースからの流入は止まっていません。
もう一度各カテゴリ内を見て回るもやはり見つからないので、別の追加カテゴリにあるのかなという結論に。
ここからは勘でいくしかありません。
カテゴリ検索で「本」や「小説」と入力して検索してみるも、企業の公式カテゴリばかりだったりでどうも違うような気がします。
もしかして・・・と思って入力してみたらヒットしました!「読書」カテゴリ!
そして・・・読書カテゴリの中にやっと見つけました!私の記事!!
嬉しい。うれしいです。
レビュー記事はいつも難しさを感じながら書いていただけに、取り上げて頂いたのが小説のレビュー記事で、しかも「読書」カテゴリに入れて頂けたのもさらに嬉しかったです。
孤独に始まったこのブログ、ひとりふたりと読んでくださる方が増え、はてなブログで最初では考えられないほど多くの方に読んで頂けるようになって、ついにはてなブログ以外のプラットフォームの方にも届いたかと思うと、とても感慨深いものがありました。
とても大きな励みになりましたので、また掲載されるよう、そしてせっかく読んで頂いた方に楽しんでもらえるように、がんばりたいなと思います。
その他の目標
数値目標以外の目標については下記の通り。
記事の執筆時間の計測(引き続き)とスピードアップ
8月に引き続き、9月の執筆時間も計測してみたところ、26記事で平均2時間。
これは8月とほぼ変わっていません。
ただ、1記事あたりの文字数がだんだん増えてきていて、8月は基本的に2000字ちょっとくらいだったのですが、9月は3000字を超える記事がかなり多かったです。
そう考えるとスピード自体は少しあがったのかなと思います。
ただ、記事の文字数が増えたことに関しては、読みやすい文字数というのもあると思いますので、ちょっと考えていかないといけないかなと思っています。(と言いつつこの記事も3000字超えてしまいました・・・。)
書き溜める習慣をつける
今回全くできませんでした。
怠け癖が出てしまいました・・・。良くない。
とりあえず、10月中必ず1回以上書き溜めを作ってみるようにします。
それなので、目標としては「書き溜める習慣をつける」というよりは、10月に関しては「1記事ストックを作る」にしようと思います。
はてなProへ移行⇒Googleアドセンスの導入?
これは少し検討していたのですが、はてなブログSSL化の対応で、独自ドメインは最後になるというアナウンスが出たりしているので、どうしようかと迷っている状態です。
もうしばらく様子を見てみながらやっていこうと思います。
10月の目標
<数値目標>
- 1日1記事更新(※10/2から)
- 月間7000PV
- 読者210名
<その他>
- 記事の執筆時間の計測(引き続き)とスピードアップ
- 最低でも1記事ストックを作る
- 散文や詩などの創作文をメインにしたサブブログの開設(長期目標)
- 朗読等声をメインにしたYoutube等のコンテンツ作成とブログとの連携(長期目標)
9月はスマートニュースへの掲載という嬉しいイベントが発生して、とても励みになりました。
一方で段々と慣れが出てきて、サボり癖や怠け癖が出始めているので、そこは気を引き締めなおしていきたいなと思います。
せっかく多くの方に見てもらえるようになってきたので、読んで「いいな」と思ってもらえる記事を書いていけるようがんばります。
10月もどうぞよろしくお願いします!
「いつもの」店で「いつもの」メニューを!私の定番を紹介します
皆さんは新しいお店、新しいメニューをガンガン開拓しちゃう派ですか、それとも、いつものお店でいつものメニューを頼むタイプでしょうか?
私は圧倒的に後者です。
いや、新しいお店とか新しいメニューとかももちろんワクワクして好きなんですけど、根の部分はめんどくさがりで安定志向なので、これは良いと思ったお店やメニューはしつこくリピートします。定番化しちゃうわけです。
今回は、そんな私の定番メニューをご紹介していきたいと思います。
ミスタードーナツ
まずはみんな大好きミスタードーナツ。
私はミスドでは大体ドーナツを2個頼むことが多いのですが、ほぼ毎回このメニューになってしまいます。
ふんわりした生地の中にホイップクリームが詰まったエンゼルクリームは、絶対外せません!
ミスドにはこれを食べに行っていると言っても過言ではないくらいに大好きです。
そして、この王者エンゼルクリームとペアを組むのが、ふんわり生地をハチミツでコーティングしたハニーディップ。もしくは、独特のモチモチ生地にはちみつ風味のグレーズをかけたポンデリングのいずれか。
この2つは味のタイプが似ているのですが、生地の触感とはちみつ感に差があります。
どっちも大好きなのですが、どちらかと言えば、名前通りはちみつの風味の強いハニーディップの方が好きです。
でも、モチモチ触感が楽しく美味しいので、気分次第ではポンデリングを選びます。
モスバーガー
お次はファストフードでありながらファストさを感じさせないモスバーガーです。
定番メニューはこちら!
- スパイシーモスチーズバーガーポテトS or Lセット(ドリンクはメロンソーダで)
変わるのはポテトのサイズのみ。
あとは余程心惹かれる期間限定メニューなどがない限り、ほとんどこのセットで注文します。(飲み物もほぼ固定)
スパイシーモスチーズバーガーと言えば、ジューシーなパティにチーズ、モス定番のミートソースとトマトに激辛ハラペーニョが加わったピリっと美味しいバーガー。
昔は辛いのがそこまで得意ではなかったので、母親が食べているのを見てそんなに美味しいの?と疑問に思っていましたが、ある時試しに食べてみたらハマりました。
ハラペーニョのピリ辛がチーズと合う!辛いの好きな方には本当にオススメです。
また、スパイシーモスチーズバーガーに変わって、スパイシーチリドッグを頼むこともたまにあります。
こちらはチリソースの上にハラペーニョが乗せられているホットドッグで、これまた溜まらない美味しさです。
バーガーに比べると軽いので、バーガー食べるほどじゃないけど辛いの食べたい!という時にとても重宝します。
スターバックスコーヒー
PCはもっぱらWindows派でドヤ顔Macとは無縁な私ですが、ドヤ顔読書をするために、文庫本を片手に一人暮らしの頃はよく行っていました。
スタバを知ったばかりの頃はフラペチーノ類をよく頼んでいたのですが、年をとったのか段々とその甘さについていけなくなっていき、たどり着いたのがこのメニュー!
- イングリッシュブレックファストティーラテ
私はコーヒーが苦手で(苦いし酸っぱい・・・。お子様舌なんです。)自分で頼むことはまずないのですが、コーヒーに比べて紅茶類は充実しているカフェが少なくて、中でもラテみたいなタイプってあまり見ません。
コーヒーは苦手でも、カフェラテのフワフワはすごく好きだし、つい頼みたくなってたまーに頼んでみるとやっぱり味はコーヒーなので(当たり前)がっかりしたりします。
そんな紅茶党に厳しい世の中ですが、スタバさんがそこに活路を見出してくれたのです。
ティーラテ!!フワフワしている上に紅茶!素晴らしい飲み物です。
しかもスタバのティーラテはほど良い甘さ。素晴らしい飲み物です。
お茶の種類は4つから選べて、一度ほうじ茶ラテも飲んでみたことがあるのですが、美味しかったけれど、私には少し甘みとクセが強く感じられました。ほうじ茶自体が甘いからかな・・・?ここは完全に好みの問題ですね。
スタバはフラペチーノやティーラテなどコーヒー以外も充実しているのが良いですよね!
アフターヌーンティー・ティールーム
散々スタバを持ち上げておきながらあれですが、やっぱりたまにはちゃんと紅茶専門のお店にも行きたい!
紅茶専門店カフェでよく見かけるのが、かわいい雑貨類などでもおなじみのアフターヌーンティーのティールーム。
ここでもドヤ顔読書をキメる私の定番はこちら。
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クリームティーセット(紅茶はアフターヌーンティーをミルクで)
クリームティーセット。もう響きが魅惑的すぎる。
これはスコーン2つと紅茶のセットで、スコーンにはクリームとジャムがつきます。
スコーンはプレーンと季節のスコーンが用意されていて、プレーン2つかプレーン+季節のスコーンかのどちらかを選ぶことができます。
季節のスコーンも捨て難いのですが、私は割とプレーン2つにしちゃうことが多いです。
セットについているクリームは甘さがほぼないタイプのもので、ジャムの甘酸っぱさと相まってプレーンスコーンのほんのりした甘みにとても良く合うのです。
紅茶も何種類かから選べ、プラス100円・200円出せば季節限定のちょっと高い紅茶なども頼めるのですが、私はもっぱら定番のアフターヌーンティーを頼んでいます。
フルーツ系の紅茶も美味しそうなのですが、スコーンと一緒に頂くことを考えると、スタンダードな紅茶を選んでしまいます。
ミルクティーが好きなので、たまーにアッサムで頼むこともありますが、せっかくアフタヌーンティーに来てるし・・・という謎の感情に突き動かされ、ほとんどの場合はアフターヌーンティーを選択します。
スコーンを食べながら、ミルクティー片手に好きな本を読む時間。贅沢ですね。
とんかつ濱かつ
なんだか女子力の高そうなお店ばかりあげてきましたが(え?そうでもないですか?)、いきなり飲食店にいきます。
インスタもやってないし、ご飯は美味しいことが正義です。とんかつサイコー!
定食大好きな私のお昼の定番だったのがこちら。
- 濱かつランチ(白ご飯・赤味噌・キャベツ千切りで)
こちらはロースカツとチキンカツをメインにご飯、味噌汁、キャベツ、漬物がついたランチメニューです。メインのカツ以外はおかわり自由。
しかも、ご飯は白ご飯か麦ご飯(麦のみではなく雑穀米という感じでした)、お味噌汁は赤味噌か白味噌、キャベツは千切りか角切りが選べるという親切さ。
私は白ご飯大好きっ子なので、ご飯は毎回白ご飯。
お味噌汁は一度飲み比べてみたのですが、赤味噌の方が好みだったので赤味噌で固定。(やはり赤味噌の方がはっきりした味、白味噌はふんわりとした味わいです。)
キャベツは千切りで、2種類あるドレッシングから野菜の甘みをいかした生ドレッシングを使用していました。
安定したクオリティと、チェーン店なのに白ご飯が基本的にいつもちゃんと美味しいこと、好みで選べたりおかわりできたりと至れり尽くせりのサービスが素晴らしくて、前職の間はすっかり常連さんになっていました。
しかも17時までランチをやっていてくれたので(店舗によって異なるかもしれません。)、結構14時とか15時とかの遅い時間にランチに出ることが多かった私にはとても有難かったです。
ドトールコーヒー
ラストはこれもランチで通いつめていたサラリーマンとOLの味方ドトール。
安くて美味しいドトールでの定番メニューはこちら。
- ロイヤルミルクティー(HOT・Sサイズ)
- 食べ物は気分次第で
声を大にして言いたいのは、ドトールのロイヤルミルクティは美味しいということ。
スタバのところでも書いたように、コーヒーの種類が多いお店でも、紅茶って結構ティーバッグで「はい」って渡されるところが多いんです。
ロイヤルミルクティーのメニューがあっても、なんだか妙に甘かったり、水っぽかったりするところも多くて、そんな中ドトールは安めの価格帯のチェーン店でありながら、ちゃんとミルク感の強いロイヤルミルクティーを出してくれます。
ティーバッグもロイヤルミルクティー専用のものが使用されているのもなんとも心憎い。
さらにさらにロイヤルミルクティー専用のハニーシュガーというシロップまで用意してくれていて、これが普通の砂糖よりちょっと落ち着いた甘みでロイヤルミルクティーによく合います。
紅茶専門店でもないチェーン店でここまでロイヤルミルクティーに力を入れてくれてるのはドトールさんくらいだと思います、本当に。ドトールさんありがとう。
そして食べ物は基本的になんでも美味しいです。
私はよくジャーマンドックとスイートポテトとかの組み合わせで食べていました。
前職の職場の近くにあったのでめちゃくちゃ通っていて、毎回ロイヤルミルクティーを頼むので、私が注文し出すと勝手にロイヤルミルクティーを淹れ始める店員さんもいました(笑)
仕事を辞めてからは1回くらいしか行ってないけれど、ドトール大好きです。また行きます。
なんだか意外と熱がこもっちゃって当初の予定よりかなり長い記事になってしまいました。
でもどのメニューも本当に美味しいですし、特にスタンダードなものが好きな人、あとコーヒーより紅茶派の人には共感してもらえるんじゃないかなぁと勝手に思っています(笑)
皆さんの定番もよければ教えてください。私の新定番に加わるかもしれませんよ!(だからなんなんだ)
【小説】小川 洋子『偶然の祝福』を読みました
今回は、小川洋子さんの小説レビュー記事です。
私にとっては初めての短編連作形式の作品のレビュー。
私、小説の形式の中では短編連作が取り分け好きなんですよ。
それぞれの物語と、その背景にある繋がり、その緩やかな流れがなんだか好きで。
大好きな小川洋子さんの大好きな短編連作なので、とても楽しんで読みました。
小川 洋子『偶然の祝福』(2000年)
小説家である「私」の静かな日々に降る小さな祝福を、小川さんらしい繊細な筆致で描いた短編連作小説。
どの作品にも小川さんにしか描けない小川ワールドが広がっていて、そしてその小川ワールドの静かで、物悲しくて、優しい空気感が心地良いんですよね。
本作もそんな小川ワールドの魅力が溢れる作品になっていました。
主人公は小説家をしている「私」です。
生まれて間もないの息子と犬のアポロと暮らしています。
そんな「私」がひっそりと抱え続けている孤独と、そこに寄り添うものたち。
その邂逅は奇跡のように夢のように儚いけれど、そのほんのりとした、しかし確かな温かみが、読者にもじんわりと伝わってくるような作品でした。
短編連作との相性の良さ
この作品は短編連作の形をとっており、7篇の短編から構成されています。
短編連作とはそれぞれの短編が一篇ずつ物語として完結しながらも、短編同士の間に繋がりがあり、全ての短編が1つの大きな物語や背景を共有しているような形態の作品です。
今回は「私」の経験した出来事や過ごした日々をそれぞれ短編として語りながら、背景に「私」という大きな物語を浮かび上がらせています。
各短編に描かれている「私」が体験した出来事は、それぞれが少しずつ現実からずれています。
そして、一つ一つの物語では、あくまでその出来事の周辺のことしか語られないため、最初の2、3篇目まではそれぞれ独立したお話が並んでいるように感じられます。
しかし、一遍ずつ読み進めていくうちに、だんだんと「私」の存在が浮かび上がってくるのです。
そうして見えてくる、「私」の置かれた環境や、過ごした人生、そして心の奥に抱えている孤独は、それぞれの物語により豊かな色彩を与えてくれます。
現実と想像、悲しみと優しさ、今と昔、あらゆる境界を曖昧にする小川さんの作品は、個々の物語の境目をぼやかしていくモザイクのような短編連作という形にとても似合っていると感じました。
境界が滲んでいく世界
前項でも少し書いたとおり、本作に含まれる物語はどれもが全て、少し現実からずれています。
実に正統な失踪者となった叔母、不思議な巡り合わせで手元に戻ってきた万年筆、息子の睾丸と「私」の背中から失われてしまった言葉。
こんな風に書くと、それはファンタジー的であったり、全く意味不明ですらあるのですが、この作品の中で、それらは確かに現実として、違和感なく存在していました。
「ああ、ここはそういう世界なのだ」ということを、一切の説明を挟まずに受け入れさせる力が、小川さんの文章にはあります。
普段であれば、そんなのあるわけないよ、と思う出会いも現象も病気も、この作品の中ではただ「ある」のです。
「私」の住んでいる世界は、私たちの生きている世界と地続きの、どこかちょっと遠いところなのだと思います。
パラレルワールドみたいだな、と感じたりもしました。
私の世界とはちょっと違うけれど、もしかしたらそれは私が生きていてもおかしくなかった世界なのではないかと。
私の生きる世界と「私」の生きる世界、その境界は淡く滲んでいて、だからこそ私は、もうひとつの世界で生きる「私」を、不思議なことばかりのはずのその世界を、こんなにも自然に感じるのだろうと思います。
失ったものと訪れたもの、書くことの苦しみと救い
作中で「私」は様々なものを失います。
叔母に弟、リコーダー、万年筆、そして言葉。
二度と戻らないものもあれば、戻ってくるものもあります。
逆に「私」の元に訪れるものもあります。
弟を失ったという女性、「私」の弟を名乗る男性、首にちょうちょの痣を持つおじいさん、そして息子。
訪れるものの多くは、少しの時間を共に過ごした後に、「私」のもとを去っていきます。訪れ、そして失われていく。
今の「私」に寄り添うのは、息子とアポロと、そして言葉だけです。
犬のアポロはもちろん、息子だってそのうちに失われていくでしょう。
そう考えると、「私」が本当に手にしているのは言葉だけなのでしょうか。
作中で「私」は何度も書くことに悩み、苦しんでいます。
しかし、彼女は書くことによってしか救われないなにかを抱えている。
これは作者である小川さん自身を反映しているのかなと感じました。
失うものも、訪れるものも、等しく言葉の中に眠っていくのだと思うと、そこにある一生はなんて静かで美しいんだろうと思います。
現実とも虚構ともつかない美しい物語と、そこに生きる人物たちのひそやかな体温と息遣い。それらをそっと覗き見る、素敵な時間でした。
本作中に「バックストローク」というタイトルの小説が作中作として出てくるのですが、語られているそのあらすじになんだか覚えがあるなと思って調べてみたところ、『まぶた』という短編集に入っている作品でした。
『まぶた』はこの『偶然の祝福』の1年後に出版された作品ですが、私は先に『まぶた』の方を読んでいたので、これは現実で読んだことがあるぞと思って、より現実と虚構の境が曖昧になった感じがありました。
実は小川さんの作品には、他にも作品間でリンクが色々とあるようなので、そういった繋がりを見つけていくのも楽しそうですね。
あの不可思議な小川ワールドが作品を超えて広がっていると思うとワクワクします。でも、なんとなくですが、小川ワールドの中でさえ、お互い少しずつずれて、パラレルワールドのように重なっているようなイメージがあります。
これからも、どんな世界を見せてくれるのか本当に楽しみです。
皆さんもぜひ覗いてみてくださいね。
【今週のお題】お気に入りの作家さんたち4名をフワフワと紹介します
いつの間にか9月も終わりに近付いていますね。
まだまだ暑い日もありますが、空の色や朝夕のひんやりとした空気、鮮やかに咲き乱れる彼岸花が秋の訪れを告げています。
さて、秋と言えば食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋などと言いますが、こう並べてみるとなんでも良さそうですよね(笑)気候が良いから何するにも良いよーということなんでしょう。
そんななんでもござれな秋の訪れを感じながら、今回は「今週のお題」に沿って、読書の秋をテーマに書いていきます。
今週のお題「読書の秋」
と言いつつ、実はちょうど1週間ほど前に、読書に関する記事を書いたんですよね、私。この記事です。
もうばっちり読書について語ってるんですよ。
数日後にお題を見ると「読書の秋」になってて、しまったなーと思いました(笑)
読書に関して思っていたことは結構書いてしまったし、その記事でも書いている通り、私は読んだ本の内容をすぐに忘れてしまうので、なかなか昔読んだオススメの本の紹介記事なども書き辛いのです。
というわけで今回は、あまり特定の作品には触れずに、私の好きな四名の作家さんたちに関して、フワフワした感じで紹介してみることにしました。
作家さんたちの持つ文章の特徴やその世界観・空気感なんかをお伝えできればな、と思います。
(※「私のオススメ」に関しては、代表作以外から選出するようにしています。)
小川洋子さん
私のオススメ:『海』、『やさしい訴え』
まず一人目に紹介するのは、小川洋子さんです。
この方の作品の特徴はその静謐な空気ではないかなと思っています。そして、独特の世界観。
非現実的な設定が度々出てくるんですが、世界のどこかにきっとこういう場所があるんだと思ってしまうような、読者をすっとその世界に導いてくれる文章を書く方です。
日常と非日常の境をぼかしてしまうような。
小川さんの作品を読むと、淡いトーンの水彩画をよくイメージします。
静かに、淡々と、優しく、悲しく、慈しむように生きる人々を描き出し、読んでいる間も読み終わってからも、気持ちがゆっくりと動くのを感じます。
私のまだ知らない世界で生きる誰かのことをそっと教えてくれるような、そんな作家さんです。
短編も多く書かれていますので、読書初心者の方にもオススメです。
道を一本隔てた先に、森を抜けた先に、湖の裏側にあるかもしれないそんな世界を、ひっそりと覗いてみませんか。
星新一さん
代表作:『ボッコちゃん』など
私のオススメ:『悪魔のいる天国』、『マイ国家』などなど(正直どれを読んでも面白い)
ごくごく短いページ数の内にあっと驚く仕掛けを持った楽しい物語が展開される星新一さんのショートショートの世界。
そこには、読書の楽しさや驚きがぎゅっと凝縮されています。
エヌ氏やエフ氏など、固有名詞を持たない主人公たちが、近未来や異世界を連想させる世界で息づき、多くは予想外の出来事に翻弄されていきます。
とにかく短いということ、そして物語がわかりやすく、楽しい驚きに満ちていることから、よく読書初心者にもオススメされます。
星さんは一生のうちに1000篇以上のショートショートを生み出しており、私はそのうちのかなりの数を読んだと自負していますが、どれだけ読んでも飽きることなく、読む度に新しい展開にいつも楽しませてもらっていました。本当にすごい。
私のオススメを一応あげてはいるのですが、正直どれでも面白いです。
一生のうちに読まなければ損な作家さんの一人だと思っています。
姫野カオルコさん
- 作者: 姫野カオルコ
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2007/02/24
- メディア: 文庫
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代表作:『ツ、イ、ラ、ク』、『ハルカ・エイティ』など
私のオススメ:『変奏曲』、『部長と池袋』
三人目は姫野カオルコさん。
この人は、なんというか独特な作品を書かれる方だなと思っています。
イメージとして、昔の文学作品のような文体や雰囲気で、性であったり信仰であったり、そういう生々しいものを描き出しているような、不思議なギャップのようなものを感じる文章を書く方です。
幼少期をキリスト教の宣教師宅で過ごした経験からか、キリスト教の教えがよく作中に登場したりと、一読して理解するのが難しかったりもするのですが、そういった部分も含めて、なぜだか引き込まれてしまう魅力ある作品が多いです。
一般的にちょっと変わっていると言われるような個性を持つ主人公たちが、己をそのままに貫いていくようなお話が多いかなと思います。
私の中で説明し辛いけどなんか良い!作家さんです(笑)
作品によって語り口が結構様々に変わるところも面白いのですが、それでもなお根底にあるギャップというか、不思議な違和感がなんだかクセになります。
好みが分かれるかもしれませんが、ハマる人にはハマると思うので、気になる方はぜひ一度読んでみてください。
アレックス・シアラーさん
- 作者: アレックスシアラー,Alex Shearer,金原瑞人
- 出版社/メーカー: 求龍堂
- 発売日: 2004/05/01
- メディア: 単行本
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代表作:『チョコレート・アンダーグラウンド』など
私のオススメ:『青空のむこう』、『スノードーム』
ラスト四人目はイギリス人作家のアレックス・シアラーさん。
この方は児童~ティーン向けの作家さんとして有名ですが、大人が読んでも楽しめるような作品ばかりです。
私は海外の方の作品をあまり読まないのですが、中学の図書館で『青空のむこう』に出会って読んでみたところ、あまりに素敵なストーリーに感動して、それから何年か新しい作品を見つける度に読んでいました。(『青空のむこう』が個人的にイチオシです!)
若い人向けの作品で、ストーリーとしてはわかりやすいのですが、しっかりと練られた設定と、丁寧な人物描写でファンタジックな世界観に現実味を与え、子供向けだろうと侮って読むと気持ちを持っていかれちゃいますよ。
チョコレートや幽霊の世界、スノードームやデパートなど、子供の頃誰もが心惹かれたモチーフたちから、優しく、しかし目を逸らせない現実もしっかりと描いた物語が展開されていきます。
ほとんど文庫化されていないので、購入するとちょっと高くなってしまいますが、図書館などにも置かれていると思いますので、気になる方は手にとって見てください。
大人も子供も楽しめるファンタジー冒険譚に、きっと時間を忘れて夢中になること請け合いです。
今回は、私の好きな作家さんの中から4名選んで紹介してみました。
特に選出理由などはありません。フィーリングです(笑)
個別の作品にも詳しい経歴などにも触れずの紹介になったので、もっとちゃんと書けよ!と思われた方もいらっしゃったかもしれませんが、私自身が感じているそれぞれの作家さんの魅力はなんとなく伝えられたかな、と思うので満足です。楽しかった。(自己満足)
今回結構楽しく書けたので、気が向いたらまた別の方たちの紹介記事を書いてみるかもしれません。
どの方も本当に素敵な作家さんたちばかりですので、良ければぜひ読んでみてください!